会長の”三行日記”

2017.08.23

ちょっと良い話135 No.2945

 こんな良い話を見つけました。歌手の松山千春さんが皆さんの困っているのを見かねて咄嗟にとった行動です。この行動に対し、多くの人たちから「神対応」と呼ばれるほど、称賛の声が挙がっているそうです。

ANA(全日本空輸)の札幌(新千歳)発、大阪(伊丹)行きの便は2017年8月20日、出発予定時刻の11時55分を過ぎても、動かないままだった。翌日ANAの広報担当者に取材すると、飛行機の出発時刻は13時3分まで遅れていたことが分かった。約1時間、乗客は機内で待機を余儀なくされていた。

同担当者によると、理由は保安検査場の混雑だった。大渋滞を起こしていたという。「機内のお客様にお詫びのメッセージを流していました」乗客の1人は21日取材に応じ、機内の雰囲気について「機内はピリピリした様子でした。また、遅延の理由が保安検査場の混雑によるものでしたので余計に私を含めた乗客はイライラしていたと思います」と振り返った。

だが出発時刻から1時間が経とうとする12時50分頃、乗客たちはある有名人の登場で度胆を抜かれることとなる。シンガーソングライターの松山千春さんが突然、客室乗務員用のマイクで乗客に話し始めたのだ。乗客の1人によると、松山さんは「滅多にこんな事はないんです。皆さん頑張ってますから、もう少しお待ち下さい」などと語りかけ、自身の楽曲「大空と大地の中で」の冒頭部分を歌い出した。

「果てしない 大空と 広い大地の その中で、 いつの日か 幸せを 自分の腕でつかむよう」松山さんは歌い終わると、「皆さんのご旅行が、またこれからの人生が、すばらしいことをお祈りします。もう少しお待ちください。ありがとうございました」と話し、拍手喝采が巻き起こった。

乗客の1人によると、「歌われた後は、場はなごみ、乗客のいらだちが歓声に変わって、即席コンサートのようなものになってました」という。取材に応じた乗客たちは皆一様に、松山さんに感謝の弁を述べた。 「それまでの事は何処かに吹っ飛んで、旅のエンディングが素晴らしいものになった事に、感謝でしたね」

「私たち乗客のいらだちを和ませようと、大変粋なはからいをしていただき、感動いたしました。機内にもかかわらず、コンサートのようで僅かですがとても楽しい時間を過ごさせていただきました」ANAの広報担当者も取材の際、「松山様のご厚意に感謝申し上げたい」と話していた。

その後、松山さんは飛行機を降りたその足で、同日夜21~22時に放送される番組の生放送に出演するため、OBCラジオ大阪のスタジオに向かったそうです。そして番組の中でもこのことに次のように触れました。

「機長からアナウンスがあり、保安検査が大渋滞になっていて、この便に乗る予定の方々が巻き込まれてしまい...(中略)そうか~皆頑張ってあそこに並んでな、待っているんだな、みたいなね。それにしても遅いな、みたいなね。段々雰囲気が悪くなるんだよ、分かるべ?機内の雰囲気が悪いんだよ(笑)」

松山さんはそこで、立ち上がって客室乗務員のところへ行った。「『すみませんが、みんなイライラしています。マイクを貸していただけますか』って言ったら、キャビンアテンダントの方が『機長に伝えますので』。そしたら機長さんからOKが出ました。『じゃあ、ここを押して話してください』」

そして、「千歳発伊丹行きにご搭乗の皆さん、松山千春です。もうシートベルトされてから1時間以上も経つ。いらだつでしょう、むかつくでしょう。しかし、安全に飛んでくれることを自分たちは信じていますし、皆苦労していますから待ちましょう。『旅は道連れ』ですから、一緒に旅行を終えましょう...と言って、『果てしない 大空と~』と歌ったんだよ」という。

松山さんはそこまで振り返ると、「おれね、歌い出してから40年以上経つけど、キャビンアテンダントのマイクで歌ったの初めて(笑)」と苦笑いし、 「おれも出しゃばったことしているな、と思うけどさ、皆の気持ち考えたら、何とかしなきゃ、みたいな。機長さんよく許してくれたな、と思うわ。うそみたいな、話でした」と締めくくった。

こうした咄嗟の機転で乗客の方々はさぞかしイライラが解けたのではないでしょうか。臨機応変、プロならではの嬉しい配慮ですね。逆にこのことがあったお蔭で、乗客の方々はきっと居合わせてよかったと思ったのではないでしょうか。

2017.08.21

私たちの使命 No.2944

 忙しさにかまけて、なかなかカキコミができない、このところの毎日となっていますが、ちょっと私たち会社の使命ということについて考えてみました。多くの会社が休みになるこのお盆の期間中にも、私たちにはいろいろなお客様からの要請が出てきます。

1つにはこの期間でなければ切替ができない設備工事があります。もちろんお客様のライン稼働中ではなかなか新しい設備の導入やら模様替は行なうことができません。従ってある程度の連続した休みを利用してこの切替を行なうのです。

ですから5月の連休とか、8月のお盆を挟んだ夏休み期間中、そして最近ではあまり計画をされることが少なくなった年末年始とかが、その対象期間となるわけです。この人が休んでいる期間に私たちでなければならない仕事を行なうということは、立派な差別化でもあり使命でもあると考えています。

また2つ目としてはお客様がトラブルで困っているときに、迅速に対応してやるということです。こちらの都合はともかくとして、お客様にとってはラインや装置が故障して動かなければ生産性においてロスするどころか、場合によっては死活問題にまで発展しかねません。

こうしたトラブルの解決も私たちにおいては課せられた使命であり、弊社経営理念にもある通り、立派な社会貢献とも言えるのではないでしょうか。このような時、特に言えるのが何よりも自分たちの仕事への意識、モチベ-ションが上がることです。

それはお客様の喜ぶ顔が見えるからです。その姿に接したとき、報奨の対価としてはたとえ大きなものでなくても、お金より何より明日に向けての力となるわけです。

そして3番目として言うまでもないことですが、世に優れた製品を送り出すことが大きな使命です。この絶対的な信用・信頼が企業として欠くことのできない大きな要素であって、これがなければ存続発展は不可能となるわけです。

この夏休み期間中でも少なからず私たちにはこうした要請がありました。まずは装置の切替作業、そして休みの期間でなくては作業ができない機器の交換、またポンプ盤と空調パッケ-ジとのやりとりが不具合のトラブル対応です。

装置の切替作業では機械を担当するまとめ役としての設備業者の方から、今後このような機会があったらアイソ-さんを考えてみたいとのお言葉もいただきました。そして機器交換においては当初の予定になかったところまで処理してあげた関係で、担当者の方はご自身の手間が省けて喜んでくれました。

またトラブル処理についても、ビルオ-ナ-の方から「来て頂いて本当に助かりました」という、過分なお礼の言葉までいただいたほどです。こうしたお客様の喜ぶ顔を見れることが何よりも私たちにとって嬉しいことです。

言い換えれば、この喜ぶ顔を見たさに仕事をしていると言ってもよいかもしれません。私たちはこのように小さい会社ならではの特色を大いに生かしていかなければなりません。是非、社員全員に徹底したいものです。

2017.07.11

人の器 No.2943

 人の器についてこんな記事が載っていました。器を大きくするのにはどうしたらいいのでしょうか、という質問に答えたものです。人間としての器はあらゆる経営者、上司、リ-ダ-に求められるものです。こんな例え話を挙げていました。

「あなたは、医院(または会社)に出入りする取引業者さんに、どんな態度で接していますか?」例えば、業者さんが来ても挨拶をしないとか、業者さんに対して命令口調だったり、業者さんに何か不手際があったとき「どういうことだよ!何とかしろ!」と、どなりつけたりしていると・・・マズいです。

歯科医院の場合、取引業者さんは、一人で30院から、多い人は50院を担当しています。そして無意識のうちに自分の担当院のランク付けをしています。自分に良くしてくれる医院のことは人に勧めたくなりますし、もし院長先生やスタッフさんが困っているときには積極的に協力しようとします。

私がコンサルをしていました歯科医院では、あるときスタッフさんの退職や休職が重なって急に人手が足らなくなりました。そこで私は「業者さんに相談してください」と院長先生にアドバイス。

その医院は取引業者の人に親切だったので、業者さんはすぐに動いて別の担当院で退職を考えていた歯科衛生士さんを「この医院に合う人だと思います」と紹介。あっという間に問題が解決してしまいました。

反対に、30院の中で下位の歯科医院なら、困っていても助けようとはしません(笑)。患者さんやお客さんが大切なのは当たり前です。その上で、その職場に集うスタッフを大切にし、それ以上に取引業者さんを大切にできている院長先生や社長さんは器が大きいです。

【器の大きさ】とは⇒ 関わる人をどれだけ大切にしているか、これを意識していると、人としての器は自然と大きくなります。リーダーの人、そしてこれからリーダーになる人は覚えておきましょう。

最近、どこかの政治家が「ち-が-う-だ-ろ-う」と、高圧的な態度で秘書に暴言、暴行をふるった話があったばかりです。おそらくこの人は自分が雇っているということだけで、上から目線で秘書に少しも感謝の気持ちを持てていないのでしょう。

これでは人は自分の思うようには動かないものです。中小企業家同友会では経営者と社員の関係を労使と呼び、人間尊重の経営をその見解とし、社員は経営者のパ-トナ-として位置づけています。

そして人間は全て伸縮自在な袋を持ち、無限の可能性を秘めているのだから、それを育んでいかなければと学んでいます。ですから前記の政治家など全く言語道断とも言えるものです。人生は自分一人では生きられず、人に助けられているということを忘れてはいけません。