株式会社 アイソー




2010年04月の日記

正しいお酒の飲み方

[2010年04月27日(火曜日)|No.1811]

ある調べによりますと、お酒を飲んだ翌日に仕事を休んだり、遅刻したりした経験をもつ人は、73%近くに上るとの記事がありました。
 
自分の都合で勝手にお酒を飲んで、大事な仕事に影響を及ぼしてはお粗末極まりないところですが、会社の行事で無理矢理飲まされることもありますから、一概にはそうばかりとも言えないこともあります。
 
この季節は花見とか歓送迎会などがあり、何かと飲む機会が多いわけですので、こうした失敗を繰り返さないため、次の正しいお酒の飲み方5か条なるものを紹介していました。何らかの参考になるのではないでしょうか。
 
 「自分の体質にあった適量を知る」
飲み過ぎないことが鉄則ですが、酒の影響が表われるのは飲み始めて30分〜1時間ぐらいですから、最初の1時間は少しずつアルコ−ルを摂取すること。
 
 「酒は一銘柄に。飲み方を変えて楽しもう」
複数の酒を一度に飲む、いわゆるチャンポンで飲むと酔いやすいということは知られていますが、同じ種類の酒でも銘柄を変えて飲むと酔いやすいとのことです。1つの銘柄をお湯割り、水割り、ロックなどとその飲み方を変えて楽しむ方がお勧めと言っています。
 
 「大量の水がポイント。飲んだアルコールと同量を摂取」
アルコ−ルを肝臓で分解するのには大量の水が必要とのことです。アルコ−ルと同量かそれ以上の水分を摂るようにと述べています。また飲み過ぎたと思ったら、寝る前に大量の水を飲むのがよいそうです。
 
 「酒の温度に注意。常温か、お湯割りで」
人間は舌の温度に近いほど、味を感じることができるそうです。冷えすぎた酒は体に負担も掛かるので、夜10時以降はロックは避けた方がよいとのことです。またお湯割りは香りも強いから、飲み過ぎ防止にも繋がるそうです。
 
 「高たんぱくの食事と組み合わせて」
食事をしながら飲むことは酔い過ぎないための基本と言われています。高たんぱくの肉や魚料理、卵料理、豆類を摂りながら飲むことが何よりもよいそうです。
 
私自身が上記に適合しているのは、⑤の食事を摂りながらの項目だけです。でも歳のせいなのでしょうか、あまり悪酔いはしませんね。
 
先日も1週間ぐらい家内のご両親がこちらにお見えになっていた関係で、普段よりちょっとお酒の量が進みましたが、大切なのはいかに気分良くお酒を飲むことができるかだと思います。そうした面では、すこぶる満喫できる私などは何も問題ないと言えるかもしれません。
 
お陰様で、これから連休にかけては複数の工事で出張作業が続きます。明日28日から5月3日まではこの出張作業となり、4〜5日の2日間だけお休みをいただきます。従ってカキコミは6日より再開させていただきますのでよろしくお願い申し上げます。


愛される生き方

[2010年04月26日(月曜日)|No.1810]

改めて先日くも膜下出血で亡くなられた、巨人軍コ−チ・木村拓也さんの、誰からも愛されていた人間性の素晴らしさを感じました。
 
先週の土曜日の24日はその追悼試合として、巨人−広島戦が行われました。木村さんが現役時代、どちらの球団もプレ−したチ−ムだったからです。従って両チ−ムの全員が喪章を付けて試合に臨んだのです。
 
この試合前のセレモニ−では、原・野村両監督と選手がベンチ前に整列する中、センタ−上方のオ−ロラビジョンには、在りし日の元気な木村コ−チの映像が映し出され、ファンからは惜しみない拍手が送られました。
 
そして引き続き行われた始球式では、木村コ−チの長男である恒希君が、現役時代父親が付けていた巨人の背番号0のユニフォ−ム姿で登場し、キャッチャ−の阿部選手めがけてノ−バウンドのストライクを放り込んだのです。
 
10歳になる恒希君は少年野球をやっているとは言え、楽しみなさいと送り出した木村夫人がいざその瞬間には涙したこの大舞台で、ものの見事に大役を務めることができました。
 
また可愛いその姿には在りし日の父親の姿と重なるところがあり、多くの人の涙を誘ったようです。ニッポン放送で野球解説をしていた江本さんなどは、ラジオから号泣している声が聞こえてきたほどです。
 
そしてこの試合、決着は亡くなった木村コ−チとは同級生の谷選手が着けました。アテネ五輪でも一緒で巨人にも同じ移籍組として、ずっとお互い支え合ってここまで来た間柄だったのです。
 
まさに天まで届けとばかり放った、代打逆転満塁本塁打だったのです。木村コ−チの悲報に接してからずっと涙が止まらず、本当に悲しかったと言っています。
 
そして実力があるのになかなか出番が回ってこない苛立ちや、忸怩(じくじ)たる思いを秘めていたのでしょう。試合後、ウイニングボ−ルをこの谷選手から恒希君に直接手渡したそうです。
 
将来、父親と同じように、プロ野球選手になりたいと望んでいる彼をしっかりと抱きしめ、励ましたとのことです。まさに亡くなってもここまで仲間から慕われた木村さんは、私たちの計り知れない偉大な存在ではなかったでしょうか。
 
木村さんはドラフト外の入団でした。そして投手以外は全てポジションをこなした器用な選手でした。それでも活躍はそんなに華々しいものではありませんでした。しかしながらここまで皆に愛され、惜しまれた人も珍しいように思えます。
 
人はどう生きたらよいのか、改めて人の生き方を木村さんからも教えられたような思いです。


迷走政権

[2010年04月23日(金曜日)|No.1809]

普天間の基地移設問題は、腹案のような形で出てきた徳之島案が住民の猛反対で問答無用となっており、一向にらちが明かない鳩山政権です。
 
そして高速道路の新料金体系についても、ドタバタの様相を国民の前でさらすことになってしまいました。まず民主党の小沢幹事長がこの政府案に対し、実質的な値上げにも通じ、マニフェストで謳った高速無料化の当初案とも矛盾すると、首脳会議で異議を申し述べたのです。
 
指摘を受けて、首脳会議の席上では、一旦は新たな上限料金制度について見直しを検討するということで一致しました。
 
小沢幹事長の頭には参議院選挙のことしかないような対応ぶりで、国民の間から日に日に増大する批判の声を無視するわけにはいかなかったからでしょう。
 
それと、トラック業界が最大3割引きなどの現行割引がなくなる新料金制度に強く反対しているからと言われています。従ってこのトラック業界などの、組織・団体の票を重視する上で、その影響が少なくないと判断したものと思われます。
 
ところがこの首脳会議には加わっていなかった、新料金制度の事実上の提案者である前原誠司国土交通相は、それでは面白くないわけですから、首相に真偽を問い質したのです。
 
そして出た答弁は、政府案は最初の原案通り見直しをせず、何かあれば国会で審議し検討していくという結論に至ったのです。ですからわずか1〜2日で二転、三転と首相が当幹事長や担当大臣に振り回されてしまったのです。
 
一部にはその最中に前原大臣辞任かという怪情報も飛び交う始末です。結局は首相が両方の顔を立てて収拾を図ったような形になりましたが、小沢幹事長などは講演先で、国交省の役人をうまくコントロ-ルできない結果などという、批判をしなくては気が済まなかったようです。
 
こうした混乱は鳩山首相の持つ、人間的な優しさというか、八方美人的で優柔不断な性格がやはり招いているものではないでしょうか。私は人間的には嫌いでもなく、むしろどちらかと言うと好感を持っている方ですが、首相には性格的に向いていないのかもしれません。
 
民主党のお陰で、人々が以前よりずっと政治に関心を持ち、メディアも取り上げるようになったわけですから、その効果は少なくないものと思われます。しかし、5月末までに決着を図ると断言した普天間問題がこのままの状態であれば、残念ながら責任を取らないわけにはいかない流れとなっています。
 
何とかやり続けてもらいたいところですが、先行きは暗雲が立ち込めていて少しも晴れません。活路を見出すよう、最後までしっかりと頑張ってもらいたいものです。


総会シ−ズン

[2010年04月22日(木曜日)|No.1808]

昨夕は中小企業家同友会沼津支部の総会が沼津東急ホテルで開かれました。栗原沼津市長、後藤商工会議所会頭はじめ多くの来賓のご出席をいただき、賑やかに開催することができました。
 
懇親会の席上、面識のある会頭が「いつもこの会に出る度に感動をいただけますよ」と、私に言ってくれた言葉がとても印象的です。私たちを取り巻く経済や、それに輪をかけて混迷している政治に示されているような、この厳しい時代の中で自助努力で何とかしようという、それぞれの会員の思いが少しでも伝わっているのでしょうか。
 
この総会に向かう途中、やはり会員である友人が以下のように話していました。その業界全体も厳しいのは例外ではなく、当たり前の仕事を当たり前のようにこなすものは激減しています。
 
従って普通の仕事ではなく、夜中の1時までお店が開いている関係から、それからが仕事のスタ-トで、朝の8時には全てそれを終わらせて撤収しなければいけないような引合いがあったそうです。
 
業界の仲間である人たちはそうした厳しい仕事ゆえに、敬遠する人が多かったようです。そうした中、友人は敢然とその仕事にも挑み、見事やり終えたとのことです。
 
ちょうどその仕事が夜中に控えていたその日、同じ業界の総会が開かれました。友人は総会には出席しましたが、夜中の仕事があるため2次会は遠慮する旨、断わって帰ろうとすると仲間内から次の言葉が返ってきました。
 
「〇〇さんのところは忙しくていいね。仕事が乏しいうちらからは羨ましい限りだよ」と。その言葉には皮肉めいた羨望的な気持ちがありありと込められていたようです。
 
何かおかしな話ですね。自分たちからむざむざ、そうした仕事へのチャンスを逃しているのに、それはないよというものです。考えるに、今の時代、誰でも当たり前にできるような仕事は転がってはいません。
 
もしあったとしても、そうした仕事には多くの人が群がり、叩き合いになるものです。友人は同友会の総会と自分の業界の総会が全然異質なものだと言われていました。
 
友人や仲間の繁栄を素直に喜べる「利他祝福」の気持ちが、そこにあるか否かの違いです。他人の発展を心から祝福できる人間になりたいものです。同友会にはこのような人になりたいとか、いつまでもその謙虚さを見習いたいといった、学ぶべき人が少なくないものです。


鉄人の大記録途切れる

[2010年04月21日(水曜日)|No.1807]

鉄人と称された金本選手の連続フル出場記録がついに途絶えてしまいました。18日の対横浜戦のスタメンから外れたのです。
 
これで前日まで記録していた世界記録1492試合がストップしてしまったのです。それにしても1492試合という数字はとてつもないものです。
 
記事によると、広島時代の1999年の7月から全試合スタメン出場し、一度も途中交代がないのです。その間、12年に及ぶのでしょうか。何とも驚異的な記録です。
 
スタメンを外れたのも金本選手本人からの申し出によるものだと言います。今シ−ズン右肩痛に悩まされていて、その影響からかこれまで打撃成績もあまり芳しいものではありませんでした。
 
そして前日の試合では、レフトからの返球を地面にたたきつけるようなミスも犯してしまったのです。これでもうこれ以上チ−ムに、自分の記録のことで迷惑を掛けられないと判断し、潔く申し出たのでしょう。
 
これまでの12年間には、何度かそうしたピンチにも見舞われ、その都度凌いできたのでしょうが、年齢的にももう限界だったのではないでしょうか。
 
これだけの選手で、大記録が途切れるわけですから、こうして本人からの申し出がなければ、とてもスタメンからは外せなかったものでしょう。一朝一夕にできる記録ではないだけに、金本選手の潔い決断は見事なものです。まさに男・金本の真骨頂ではなかったでしょうか。
 
この男意気に応え、それからのチ−ムは昨日の代役・狩野選手の3ランなどの活躍もあり、2連勝と乗ってきました。この狩野選手は本来捕手なのですが、城島選手の加入で出番がなくなり、やっと1軍登録されたばかりのことだったのです。
 
やはり引き際はこのように格好よく見事に生きたいものです。大モノだけに誰からも口出しがされず、その引き際を間違う人が少なくないだけに、潔い決断には爽やかさが残ります。
 
あとはフルイニング出場は途切れましたが、まだ続いている連続試合出場(昨日まで1639試合)を是非更新していって欲しいものです。


火山灰の大きな影響

[2010年04月19日(月曜日)|No.1806]

火の国・アイスランドの火山噴火で、ヨ−ロッパの空が大混乱に陥れられています。噴火で上空高く舞い上がって立ち込める火山灰の影響からです。
 
飛行機にはいくつものエンジンが付いているのですが、この火山灰を吸い込むと全てのエンジンが停止する恐れがあるからです。よく鳥がエンジンに巻き込まれることがあるのですが、それは一部のエンジンの停止で済むから大事故には至らないのです。
 
しかし上空立ち込める火山灰となればそうはいきません。このためヨ−ロッパの4大空港である、英・ヒ−スロ−、仏・ドゴ−ル、ドイツ・フランクフルト、オランダ・スキポ−ル空港をはじめ、24カ国の空港が閉鎖や飛行機が飛び立てないことで影響を受けているのです。
 
今回、噴火したエイヤフィヤトラヨークトルという火山は氷河に覆われていて、地下から上昇してきたマグマが氷河を溶かして内部に水蒸気が充満し、強力な爆発を起こしやすい構造になっており、より大量の火山灰を吹き上げているのです。
 
しかも、同火山はマグマのケイ素成分が多いのが特徴で、噴火で粉々に砕け散った火山灰の粒子が0・1ミリ未満とかなり小さくなっているため、より上空高く漂い、広範囲に拡散しやすい条件が整っているとのことです。
 
何とも厄介な話です。このまま、いつになったら火山灰が収まるのかも、今のところ見通しがたっていないそうです。また聞くとこのヨ−ロッパの上空は、1日約2万8千便が飛び交う超過密地域であることからも、一層の混乱を招いているのでしょう。
 
余分な話なのですが、私の真ん中の娘が当初、留学でドイツにいる弟の所へ遊びに行く予定でした。社会人となって1年経ち、やっとまとまった休暇をもらうことができ、この12日から18日までの期間を利用して行くことになっていました。
 
ところが留学している当の本人が、長い2ヶ月もの大学休みが終わり、4月5日から学校が再開することで、それどころではなくなったのです。
 
こうして楽しみにしていたドイツ行きだったのですが、急遽とりやめになったのです。でも、このようなことになるとは全然予想外の事だったのですが、行かなくて本当に良かったと思います。
 
行っていればいつ帰って来れるのかも判らず、職場にも大きな穴を開けることになったものと思われます。それこそ、ご褒美のはずの休暇が、会社に思わぬ迷惑を掛けることになったかもしれないのです。
 
こうした、ちょっとしたタイミングのズレが幸・不幸を分けることにもなるわけです。旅行等が急遽キャンセルになったり、現在空港等で足止めされている方達には本当にお気の毒のことと思います。いち早く空の便が元に戻ることを願っています。
 
明日20日は私用でお休みをいただくため、カキコミを休ませて下さい。


日本で一番大切にしたい会社続編その1

[2010年04月15日(木曜日)|No.1805]

坂本光司先生のベストセラー・日本で一番大切にしたい会社の続編・パート2が出ました。第1部の本が出た後、最初は大した反応がなかったと聞きますが、日を追うごとに反響がいろいろな層の方に増えていきました。
 
作者に頂くメールや手紙にはこの国も捨てたものではないとか、問題の多くは社会や一般社員にあるのではなく、経営者をはじめとしたリーダーたちの心と背中に宿るものといった、勇気づけられる内容が少なくなかっただけに、この本を書き続けなければいけない使命を感じたようです。
 
そしてこのパート2では多くの素晴らしい対象の中から、8つの大切にしたい会社を取り上げています。どの会社も本当に素晴らしい会社なのですが、順番に紹介していきたいと思います。
 
まず、患者がもう一度入院したいと口を揃えている病院です。絶対にノーと言わない病院とのことで、千葉県にある亀田総合病院です。ほとんどの病院では遺体を安置する霊安室は地下にあります。しかし亀田病院は天国に一番近い、見晴らしの一番よい最上階にあるのです。
 
ここからして違うわけで、患者のことを何よりも優先に考えています。ある末期ガンの患者はどうしても霊安室を見たいと言ってここを訪れたとき、「この病院で死にたい。死んだらここに置いて欲しい」と独り言のようにつぶやいたそうです。
 
このようにこの病院の人気が高いのは、患者に対する徹底的なサービスが日常的に行われているからです。そして入院したいという患者だけでなく、働きたいという医師まで数多く訪れているのです。
 
人間に必要な健康は4つあるそうです。肉体的健康、社会的健康、精神的健康、そして魂の健康だと言われています。この全ての健康を守ろうとする機能が病院にはなければいけないというのが、亀田病院の強い理念なのです。 
 
そして病院長に最も重視している仕事・役割はと訪ねたところ、何よりもここで働くスタッフの命と生活を守ることと答えたそうです。第一部でも紹介されていたとおり、企業が一番大切にしなければいけないのが、そこで働く社員とその家族ということをまさに実践しているのです。
 
電車でも車でも、東京駅からゆうに2時間は掛かる不便な場所にあるのに、こんなに人気が高い秘密が解けそうです。どうせ病院に掛かるのなら、こうした崇高な理念を持つところにお世話になりたいものです。
 
明日16日は一日出張の為、カキコミは休ませていただきます。


ストックホルム症候群

[2010年04月14日(水曜日)|No.1804]

新聞に「ストックホルム症候群」という、何だか訳の分からない言葉が出てきました。いったい何のことだろうと思い、翌日ネットで検索してみました。
 
検索したところ明解な答えが直ぐ返ってきました。ネットって本当に便利ですね。一昔前なら百科事典で調べてもなかなか見つからなかったものです。
 
さて調べたところ、この「ストックホルム症候群」というのは、被害者が犯人に、必要以上の同情や連帯感、好意などをもってしまうことを言うそうです。
 
これは誘拐や監禁など、比較的犯人と接触が長いときに起こりやすく、警察関係者やその周囲に一番誤解されてしまうことが多い症状だとも言われています。
 
元々は1973年、スウェ−デン・ストックホルムで起こった銀行強盗事件から名づけられたそうです。ストックホルムの銀行を強盗が襲い、数人を人質に立てこもりました。何度か衝突を繰り返し、人質が解放されたのはそれから1週間後のことです。
 
しかし、人質を解放した後、事件関係者は不思議なことに気づきます。当然、犯人を憎むはずの人質が、口々に犯人をかばうような証言をし、またそれだけではなく、感謝されるはずの警察を、侮辱するようなことさえ口にするのです。
 
そのうえ、事件が解決した後、人質の1人であった女性が、なんと、犯人グループの一人と結婚してしまったのです。これから名付けられ、「ストックホルム症候群」という言葉が有名となっていったのです。
 
また日本でも同様な事件が起こっています。1990年、新潟で9歳の小学生の女の子が行方不明になりました。公開捜査にも踏み切ったのですが、何の手がかりもなく10年の歳月が流れました。
 
そして2000年になって19歳の被害者が保護されたのです。最初は犯人からかなり暴行を受けていたとのことですが、終いの方では家の2階では自由に行動することができたと言います。
 
でも監禁されていた環境はトイレも風呂もないという、とても厳しいものでした。なぜ逃げなかったのかという疑問が湧きますが、それこそがストックホルム症候群だと指摘しています。
 
長い監禁生活と犯人の暴力行為の中で、自分で行動するという意思を奪われ、その異常な生活が日常化されてしまったのですが、それそのものが彼女のサバイバル能力だったからと言っているのです。
 
過日の新聞によると、40年前のよど号乗っ取り事件が起こった際、機内に残された乗客の間で起こった雰囲気がまさに似たようなものがあったと、その一人であった国際聖路加病院理事長の日野原先生が語っています。
 
とても面白い現象ですね。人間の極限状態ではお互いの感情が微妙に交わるものでしょうか。やはり人間は同化しやすい生き物なのですね。


ペット葬儀の悪徳商法

[2010年04月13日(火曜日)|No.1803]

ペットブ−ムにつけこんで、葬儀にまつわる悪い手口があるようです。埼玉県飯能市の山林で見つかった、ペットと思われる多数の犬や猫の死体が捨てられていた事件からの記事を紹介します。
 
逮捕されたペット葬儀業者は火葬施設を持たず、飼い主から預った死体を次々に捨てていたとのことです。
 
「今すぐ行きます!24時間対応してますから」2年前可愛がっていた飼い猫を病気で失い、この看板に救いを求め電話したところ、2時間後にワゴン車でやってきました。
 
服装は黒の礼服姿。電話帳の広告には「火葬5000円〜」「納骨無料」などと安さがアピ−ルされていたが、最初に提示してきた費用は6万円。
 
依頼主が渋ると「なら、1万円でいいです。ただし遺骨は提携する寺の共同墓地に埋葬します」「火葬の立会いはできませんが、2万円追加すれば遺骨を持ってきます」と、次々に条件を変えたと言います。
 
交渉がまとまると、容疑者は作務衣に着替え、早速、線香と数珠を用意して葬儀を開始しました。テ−プで念仏が流れる中、ワゴン車内に置かれた祭壇に向かって手を合わせる20分ほどの葬儀です。
 
2日後、白色陶器の骨壷と「ニャ−さんの霊永眠」と書かれたお札を持ってきたので、依頼主はそれを大切に保管してきたが、今となっては本当に愛猫の骨なのかも判らないということです。
 
容疑者は「つつがない旅路のお手伝いをさせていただきます」などと、大々的に広告を載せ、全て引き受けると宣伝していましたが、元々火葬施設を持たず別の業者に委託することにしていました。
 
ところが火葬を依頼すれば、手元に残るお金がわずかとなることから、自宅から30kmぐらいの山林に捨てていたのです。県警の捜索ではこれまでの100匹に加え、新たに約80匹の死体を回収したとのことです。
 
このように全てがそうだと言いませんが、全国では500〜600のペット葬儀業者があると言われている中、飼い主の気持ちにつけ込む悪質業者も少なくないと言います。
 
驚いたのは「七五三」方式と呼ばれる商法です。飼い主の顔色をうかがい、火葬されたペットの前で割り切った表情を浮かべていると3万円、少し涙を浮かべていると5万円、そして大泣きしていると7万円まで吊り上げるというから、びっくりさせられます。
 
何ともあくどい商売です。そもそも人の弱みにつけ込む商売は信用できないものです。ただペットと長い間、一緒に暮らしていると家族同様、いや人によってはそれ以上にもなるわけですから、つけ込まれやすくなるものです。くれぐれも気をつけるように致しましょう。


今年のマスタ−ズから

[2010年04月12日(月曜日)|No.1802]

天気予報では曇りのち雨と言われていた昨日の日曜日でしたが、予報が良い方に外れ、穏やかで暖かい日を迎えることができました。比較的これまで気温が上がらない日が続いていたこともあり、近年にはめずらしく、桜の花も散ることもなく最後の見ごろとなっていたようです。
 
さて海の向こうでは世界最大のゴルフの祭典・マスタ−ズト−ナメントが開かれ、フィル・ミケルソンが最終日ノ−ボギ−の67で回り、ト−タル16アンダ−の堂々たる優勝を飾りました。
 
ミケルソンは2004、2006年に次ぐマスタ−ズ3勝目を挙げたわけです。不倫問題からの復帰で注目されたタイガ−ウッズは、最終日出入りの激しいゴルフでト−タル11アンダ−としたのですが、今一歩及ばず4位に終わりました。
 
それでも半年のブランクがあったわけですから、さすがに実力者の面目を保ったものです。また期待された石川遼選手はじめ日本人3選手は、池田選手が決勝に進んだものの、遼選手と片山選手は予選を通過することができませんでした。
 
遼くんは惜しくも1打足りず涙をのんだわけですが、昨年同様、またこの口惜しさをこれからの起爆剤にできるのではないでしょうか。
 
それにしてもオ−ガスタナショナルのグリ−ン周りの起伏には、いつものことながら目を見張るものがあります。ホ−ルによっては、ボ−ルとカップを結んだラインと直角の方向に打ち出していくことがあるくらいですから、私たちがやったら幾つで上がれるか計り知れません。
 
また面白いデ−タがあるのですが、優勝したミケルソンはじめ上位の選手がいつもフェアウェイをキ−プしていたわけではありません。その第1位は日本の池田選手と言っているくらいで、優勝したミケルソンが44位(60.71%)で、2位のリー・ウェストウッドは43位(62.5%)、3位のアンソニー・キムが46位というくらいです。
 
ですから全英オ−プンなどとは違ってフェアウェイを外しても深いラフがあるわけでもなく、OBもないこのコ−スは何よりもアイアンの正確さが要求されるわけです。
 
記事の中でも紹介されていましたが、狙った畳2畳ぐらいのスペ−スにいつも正確に落とすぐらいの技術がなければ攻めれないとも言われています。
 
こうなると、ただドライバ−を真っ直ぐ遠くまで飛ばすだけでも駄目だということになります。そんなに多くない狙ったピンポイントに落としていかなければ、ピンにも寄らないわけで、バ−ディも取れないということです。
 
果たしていつの日か、日本人選手がここで勝つ日が来るものでしょうか。そうなるためには日頃のト−ナメントから、もっともっと難しいグリ−ンやシチュエ−ションで争わなければいけないような気がします。日本のゴルフファンの多くが朝早くからテレビにかじり付くだけに、責任に置いてもそう願いたいものです。


ちょっと良い話part58

[2010年04月09日(金曜日)|No.1801]

久しぶりのちょっと良い話です。「最終電車のすてきな出来事」という投稿記事です。
 
先日、JR御茶ノ水駅から中央線の最終電車に乗りました。車内には泥酔して長い座席に横になっている男性がいて、その隣に若いカップルが座りました。
 
しばらくするとその男性は寝ぼけたのか、靴を履いたまま足を座席に乗せたり、カップルの男性の顔の近くまで足を上げたり、男性のひざに足を乗せたりし始めました。
 
一触即発の雰囲気に車内の空気が凍り付きました。しかし、そのカップルは余裕しゃくしゃく。「こらこら・・・、おいおい・・・」などと言いながら、男性の体勢を直してあげたり、足を降ろしてあげたり、ほほ笑みながら対応していました。
 
その様子に周りの乗客もみんな笑顔になりました。最近は肩や足が触れただけで殴り合いになってしまうことがあるなど、キレやすい人が多いのも現実です。しかし、そのカップルは男性に暴言を吐くこともなく、終始笑顔でした。
 
新宿駅で降りるときも「大丈夫かなあ」と心配そうに話していて、私はその優しさに心から拍手しました。泥酔した男性は大久保駅で慌てて電車を降りました。深夜にちょっと心癒される出来事でした。

 
袖擦りあうも多少の縁とは言いますが、このような泥酔者ではほとんどの人たちが逃げるか見てみぬ振りをするかの、どちらかだと思います。
 
カップルのため二人で心強かったこともあるかもしれませんが、勇気の要る微笑ましい出来事です。このカップルのような人たちが増えれば、もう少し今のギスギスした世の中が変わるかもしれません。
 
どこかの船舶王ではありませんが、「人類皆兄弟」人間、皆友達と言っています。「仲良きことは美しきかな」どうせなら苛立つより、明るく面白く過ごした方がいいものです。


くも膜下出血

[2010年04月08日(木曜日)|No.1800]

くも膜下出血で倒れた巨人のキムタクこと木村拓也コ−チが亡くなられました。原監督はじめ周囲の大勢の願いも空しく、帰らぬ人となってしまいました。亡くなられてから改めて木村コ−チの人柄の良さを知らされています。
 
木村コ−チは試合前の守備練習中、ノックの最中倒れたのですが、このようにくも膜下出血は理由なく突然襲ってくるものです。
 
そして40〜50代の働き盛りに多く、症状を起こすと1/3が死亡、また同じく1/3の人が社会復帰が難しくなると言われています。
 
ただ全く予兆がないわけでもなく、半数の人間には前駆症状という前兆の頭痛があるとのことですから、運が良い人は事前に防げないわけでもありません。
 
くも膜下出血になりやすいかどうか、自己診断チェックをテレビで取り上げていましたのでメモしてみました。次の9項目です。
 
① タバコを吸う
 
② ラーメンが大好きでス−プは残さず飲む
 
③ 毎日500ml以上ビ−ル(焼酎は2杯以上)を飲んでいる
 
④ 血圧が高いと言われたがそのままにしている
 
⑤ 家族の中にくも膜下出血を起こした人がいる
 
⑥ 風邪でもないのに突然頭痛に襲われ、何日も寝込んだことがある
 
⑦ 人間ドックで「腎臓に水がたまる袋がある」と言われた
 
⑧ ちょっと前に物が2重に見えたり、片方の瞼が開かなくなったが、3〜4日で自然に治った
 
⑨ 最近ひどく首筋や肩が痛むことがあったが、肩こりとは違う痛みで何日も続いた

 
この中で2〜3該当する箇所があれば要注意とのことです。特に⑥〜⑨項目に関しては1つでも当てはまれば可能性は高いと言われていました。
 
脳ドックを定期的に受けながら、くれぐれも普段のちょっとした体調の変化に心配りしたいものです。コ−チとして世界一のノッカ−を目指した、木村コ−チのご冥福をお祈り申し上げます。


苦難の果ての宇宙飛行

[2010年04月07日(水曜日)|No.1799]

今朝の天声人語に、女優の故沢村貞子さんの随筆に触れ、宇宙に飛び立った山崎直子さんについて書かれていました。沢村さんはちょっと年配の方ならご存知のことと思いますが、歯に衣を着せない、シャキシャキの江戸っ子の語り口で知られた人です。
 
その「男女同量」という随筆に、次のようなことが書かれているそうです。
 
新しい夫婦茶碗を買いに行った。気に入ったのを眺めていてふと気づくと、紺と赤の色は違うが、二つは同じ大きさである。
 
男物の傍らに小ぶりな女物がそっと寄り添う。そうした夫婦茶碗を見慣れた目には新鮮だった。買って帰り、食卓に並べてみた。同じ大きさが嬉しかった。

 
老朽化した関係で、引退が決まっているスペ−スシャトルに、日本人最後の宇宙飛行士として飛び立った山崎さんも、男女同量ということではずいぶんと苦労があったようです。
 
夫である山崎大地さんに支えられてきたわけですが、ご主人は仕事もやめて家事や育児、介護もこなしてきたと言います。
 
しかしながら大地さんご自身も国際宇宙ステ−ションの管制員をめざしていたわけで、その経緯には複雑な思いがあったようです。
 
また元々、仕事と子育てを両立させたいと思っていた直子さんでしたが、現実はそう簡単にはいかず、海外で長期訓練が続く関係で、子育ての多くを夫に頼るしかなかったそうです。
 
そしてシャトルの搭乗資格を得るため、アメリカで2年間の訓練に入るとき、とうとう大地さんは管制員の夢をあきらめ専業主夫になることを決心したのです。
 
しかし、その決断が夫婦の間に思わぬ亀裂をもたらすことになったのです。目標に向かって前進する妻と、夢が絶たれ絶望に沈む夫との間では言うに言えぬ溝ができ掛かっていたのです。
 
このため、直子さんは自分のために夫が夢を失い申し訳ないという気持ちから、ボ−トに住みたいなどと夫への気遣いを見せながら、妻、母、飛行士と多くのものを1人で背負い、悩んでいたみたいです。
 
こうしたことから一時期、離婚調停を進めたことがあったくらい、夫婦の関係には深刻なものがあったようです。でもほどけかけた関係を克服した二人は、大きな目標に向かって更に絆が大きく深まり今日を迎えたのです。
 
私たちが考えているほど、宇宙をめざすということはそう簡単なことではないのですね。天声人語に話を戻せば最後にこう語りかけています。
 
沢村さんは男女同量の茶碗でつい食べ過ぎたそうです。使うに難しいと悟るが「何とか上手に使いこなしたい」と結んでいます。
 
まだ結婚式も挙げていない山崎さん夫婦にとって、宇宙から無事戻ったら夢をあきらめた夫の分だけ、幸が膨らむことを願っています。


33人の子持ち

[2010年04月06日(火曜日)|No.1798]

朝日新聞、「ひと」の欄に素晴らしい韓国俳優が紹介されていました。車 仁杓(チャ インピョ)さんという42歳の俳優です。
 
車さんは何と33人の子持ちです。と言ってもアジア、アフリカ、南米など15カ国の30人に毎月数十万円の生活支援を続けているのです。
 
そして一緒に暮らす子どもが3人いるのですが、そのうちの2人は養子です。母国韓国ではヨン様にも劣らぬ知名度を誇っているそうですが、そのきらびやかな俳優生活は捨て去ったとのことです。
 
1993年にデビュ−しすぐに人気者となり、いくつかの賞ももらい、あこがれの車・ポルシェも購入しました。その生活が一変したのが2006年、やはり女優である妻の代わりにインド・コルカタを訪れたときです。
 
現地の子どもたちと触れ合い、貧困とは何かを肌で感じました。その途端、今まで欲しかったものが何も欲しくなくなり、他人の不幸が身近になったと言います。
 
そして最近では俳優活動も控え気味ですが、北朝鮮住民の人権や生命にスポットを当てた映画には出演し、故郷に家族を残した脱北者の役柄を迫真の演技で表現したそうです。
 
その演技についても、涙は今まで目薬などで無理に絞り出していたものですが、北の同胞の現実を目にし、自然にとめどなく流れ出たと言います。
 
やはりその言葉には重いものがあります。「どれだけ圧力を掛けても反発するだけ。相手の本質を変え、一緒に生きていこうとするなら愛するしかないのです」。
 
そして30人もの子どもたちに対しては「世界の子どもたちから手紙が届く。毎月数億ウォンぐらいの幸せをこちらがもらっています」と喜んでいます。
 
今朝も散歩中、大きなゴミ袋を抱え、やはり散歩しながらゴミを拾い歩く知人の姿を見つけました。定年を過ぎ役所を退職し、畑仕事をやりながらの悠々自適の生活にように見受けられるものですが、自然な形での奉仕活動は爽やかなものです。
 
車さんのように若くして目覚めることができなくても、いつの日か世の中に生かされているという自分を確かめ、その存在価値をしっかりと見つめてみたいと思っています。


ノムさん講演会より

[2010年04月05日(月曜日)|No.1797]

週末土曜日は花見日和の良いお天気でした。桜の名所で知られている三島の遺伝学研究所が、この日一日だけ無料開放されるということで、同級生の友人たちからお誘いの案内をいただきました。
 
しかし、これから紹介する野村克也さんの講演会が午後、沼津で開かれるということもあって、少し時間的に忙しかったのでまた次の機会にさせていただきました。
 
それでもちょっと後ろ髪を引かれるところがあり、家内と一緒に早めに家を出て周辺を覗いてみました。ところが噂に聞いていた以上に多くの人達が押しかけ、周辺にはどこも車をとめる所などなく、ただ渋滞に巻き込まれただけでした。
 
来年は車を置いて是非出掛けたいと思います。さて沼津市民文化センタ−で行われた野村克也さんの講演会についてです。
 
私もテレビなどでは何度も聴いているものの、講演会で直接お話を聴くのは初めてでした。よくボヤキのノムさんと言われていますが、実際に聴いてみてなるほどその通りだなというのが、まず実感です。
 
椅子に座って話されることもあって、マイクに近づきボソボソと話す姿と話し方がまさにその通りなのです。「弱者の戦略」と題していた関係で、ご自身の生い立ちではなく、もう少し違った角度からのお話を聴けると楽しみにしていたのですが、時間が足りずご本人も謝っていたとおり、終始その話で終わってしまいました。
 
生い立ち的話は、先日この欄でも触れましたテレビでの談話とほとんど変わらないものでした。貧しい環境で育つと嫌でも夢を大きく持つとか、人間の幸・不幸は紙一重などのお話です。
 
ですから正直少し期待外れに終わったのですが、最後の質問コ−ナ−でちょっとマ−くんこと田中投手のことについて述べていました。
 
マスコミを通じての両者のやりとりなのですが、結構そうした談話を気に掛けているものだなと感じました。先日マ−君が開幕前のインタビュ−でブラウン新監督について尋ねられたところ「私はもう教わるところはありません。ただ自分の道を進むだけです」と述べたことです。
 
そして野村前監督からは何を学んだかと尋ねられ、「野村監督からは何も教わることはありませんでした」と話したことについてです。
 
このことに対し、「プロは手取り足取り教えてもらうのではなく、自分からいろいろなことを学ぶものである」と指摘し、「人間的成長なくして技術的進歩なし」と諭されていました。
 
そして昨シ−ズン15勝のご褒美に愛用する高価な時計を贈ったのにもかかわらず、本人から礼の電話1本もなかったことについても触れていました。やはりボヤキのノムさんです。さてこうした重しの外れた楽天、いやマ−君の今シ−ズンはいかがなものでしょうか。


豊かな人生の種

[2010年04月02日(金曜日)|No.1796]

毎月「こおろぎ」という会報を送って下さる、オリジン・コーポレーションの杉井社長が4月号に豊かな人生の種というコラムを載せていました。
 
それによると、杉井社長の友人がリストラに遭って会社を退職し、全く経験のないタクシーの運転手になったそうです。
 
今までの経験を生かそうと同様の会社に再就職しようとしたのですが、不況でそれも叶わず、学校に通う子どもにまだお金の掛かる時期だからです。
 
タクシーの運転手をやっていれば、酔ったお客もいるわけですから腹が立つこともあります。今までの会社にいればそんな経験はしなくてすんだかもしれず、本人に襲ってきた「まさか」という坂と言えるかもしれません。
 
それは人によっては健康面で現れるかもしれないし、金銭面や対人関係かもしれないと言います。でも杉井社長は「悪いことが起こった」というふうには考えず、「役に立つことが起こった」と捉えるようにしていると言います。
 
ですからこのタクシーの運転手になった友人にも、乗車後のお客への自分の対応で、機嫌が良くなったやりとりの事例をメモに控えておくようにアドバイスしたそうです。
 
それは世の中にはタクシーの運転手に限らず、人のために不愉快な思いをしている人が少なくないことから、そうした人たちへの上手な対応をまとめたらベストセラー間違いなしという指摘です。
 
私たちにとって嫌なことは他の人にとっても嫌なことで、それを取り除く方法はお金を生み、人生を豊かにするという理由からです。
 
杉井社長ご自身も会社を継ぐことになったとき、多くの借金を抱え、銀行は金を貸してくれず、求人募集しても人が入ってくれない状況でした。
 
でも今考えれば、その状況こそが豊かな人生の種だったと言われているのです。そうした自分の体験から、起こったことを嫌うのではなく、それを生かしたときに人生が変わるというのです。
 
自分の受け取り方1つで、全く違った人生にもなるわけです。ご指摘のとおり、起こった出来事を「いいこと」と「悪いこと」として分けて捉えず、全て自分自身の成長の肥やしとなる「役に立つことが起こった」と受け取らなければいけませんね。


新しい高速道路割引制度

[2010年04月01日(木曜日)|No.1795]

いよいよ新年度です。新入生など希望に膨らむスタ−トを切るこの時期ですが、今朝の新聞には新年度6月から実施される高速道路の割引制度の変更が載っていました。
 
それによると、今までの割引制度は大幅に見直され、どこまで行ってもこの料金を超えることのない、新たな上限料金制度として、乗用車2000円、軽自動車1000円、大型5000円などの高速料金が設定されるようです。
 
従って現行の乗用車休日一律1000円や通勤・深夜割引等はなくなることになります。また現在はETC使用に限っての割引だったのですが、この区別もなくなりETCでなくても割引が適用されることになります。
 
ちょっと残念に思っているのが朝6時から9時までと、夕方5時から8時までの通勤割引がなくなることです。私もこの割引制度をよく利用していますが、通勤の方はもちろん比較的利用者は多いのではないでしょうか。
 
この制度があるお陰で、通勤でない私たちでもお客様との打合せ時間を比較的早めに設定して、半額になる恩恵を受けていたものです。
 
またETCは元々料金所の係員の手間を掛けない、合理化の手段として役立っていたはずです。そうしたことからETCに対しては、現金払いと区別して特典を設けていたのではないでしょうか。
 
従って多くの人たちがこの特典目当てで、こぞってETCを装着したのはご存知のとおりです。それをほとんどの人間がもう装着したから区別はつけなくてもいいというのは、少し騙されたような気分になるものです。
 
とにかくこの上限料金制度では高速道路はこれから長距離のトラックで溢れるものと思われます。そして滅多に遠乗りするわけではない一般の人たちにとっては、近距離が割引にならない新制度では実質値上げとも言えるものではないでしょうか。