会長の”三行日記”

2011.10.31

巨額借入金問題 No.2100

大王製紙の井川意高前会長が106億以上の巨額借入金をしていた問題で、その使途が不明になっていますが、一部の報道ではマカオやラスベガスのカジノで使ったとも言われています。
 
この井川前会長という人、東大法学部出身のエリ-トなのですが、在学中からその豪遊ぶりが知られており、父親の金で銀座の高級クラブに通い詰めていたという話もあるくらいです。
 
そして四国にある家から東京には、ヘリコプタ-や飛行機をチャ-タしていたというから、私たちの想像をはるかに超える、超ど派手な生活をしていたのでしょう。
 
巨額借入のほとんどを本当にカジノで使っていたとしたら、言いたくはありませんが大馬鹿者としか言えません。四国では知らないという人はいないくらい、この井川一族というのは昔で言えば豪族なのですが、オ-ナ-企業特有の甘い経営体質があったとも言えるわけです。
 
何しろ106億円もの大金を7社以上の子会社から無担保で借り入れていましたが、そうした事実を取締役でも何も問題視されていなかったと言います。
 
そこには創業者一族に何も異を唱えられない内部体質があるのでしょう。そして何よりも情けないのは当事者である井川前会長です。問題発覚後、父親である創業者の長男に当たる、井川高雄顧問に強く叱責され、自分の持つ株を売却し、借り入れの一部、20億円を返却したというのです。
 
それなら、初めからそうすればよいのにと思うのは、そうした高額な大金を扱ったことのない私たちだからでしょうか。
 
とにかくこの前会長、会社が私有物であるという意識が抜け切れていなかったのでしょう。確かに東大法学部に進むくらいですから優秀な人には違いありません。
 
でも下衆な勘繰りかもしれませんが、昔の将軍の息子同様、その幼少時代より周囲から帝王学をしっかりと伝授され、自分中心にしか物事を眺めることができなかったかもしれません。
 
そして長いこと息の抜けなかったしわ寄せが大学時代の豪遊に出てきたのでしょう。これではエリエ-ルという、ティッシュでは有名ブランドにした創業者と2代の功績や苦労が水の泡と帰してしまいます。ある意味では、改めて会社が公器であることを知らされた事件でもありました。