会長の”三行日記”

2012.02.09

海底トンネル事故 No.2153

残念ながら7日、倉敷のJX製油所で海底トンネルの工事中、事故が起こってしまいました。海底トンネルの掘削中、海水が吹き出たことにより、未だに5人が行方不明となっている事故です。
 
この工事はB工場と呼ばれる、旧ジャパンエナジ-と、水島港をはさんで対岸にある、旧新日本石油精製のA工場を結ぶ、約790mの海底トンネルの建設です。
 
B工場側で直径11メ-トルの縦穴を約30mの深さまで掘り、そこから直径4.5mの横穴を対岸に向けて掘り進むもので、いわゆるシ-ルド工法と呼ばれるものです。
 
このシ-ルド工法は日本が世界に誇れる技術で、海底トンネルの他、地下鉄や下水道、地下道路など、トンネル工事に一般的に使われている工法です。
 
テレビの解説で知ったのですが、円筒形の大型重機の先にドリルがあり、横穴を掘り進めていくと同時に、掘った後のトンネルの壁に後方からリング状のコンクリ-トを押し出し、隔壁を固めていくやり方です。
 
この工法が世界でも日本が飛び抜けていると言われるのは、元々軟らかい地盤が多い国内でも安全にこの作業が進められており、イギリスとフランスを結ぶ地下トンネルなど、世界中で難関工事に携わり、実績を積み重ねているからです。
 
それでは今回はなぜ?という疑問が湧いてくるものですが、一部には隔壁がコスト削減で少し薄かったのではないかとも言われています。
 
この水島のJXの工場には、弊社の人間も別の仕事で出張しており、全く他所事とも思えない出来事です。行方不明者の捜索も油など不純物が海水に混ざっているため、なかなか、はかどらないようです。
 
できればその無事を祈りたいものですが、何しろ時間が経ちすぎているのが気になるところです。今、いろいろな工事の施工について、以前よりずっと強く安全というキ-ワ-ドが叫ばれているものです。
 
従って私たちが向かうお客様の工事でも、必ず安全朝礼などが実施され、こうした事故が起こらないよう細心の注意が払われています。
 
確かにそうした私たちの工事に比べれば、ずっとリスクの高い高度な仕事には違いないでしょうが、それだけに準備も怠らないはずです。尊い人命に関わるだけに、コストより安全、もっと細心の注意を払ってもらいたいものです。