会長の”三行日記”

2012.11.08

アメリカ大統領選 No.2308

オバマ大統領が再選されました。僅差の勝負だったのですが、ロムニ-候補を破っての勝利です。やはりアメリカ国民は自分たちとはかけ離れた金持ちより、核のない世界を訴えた可能性に賭けたのではないでしょうか。
 
さてこのアメリカ大統領選ですが、日本とは少しその選挙システムが違うことから、以前から知りたいと思っていたところ、ちょうど新聞の「ニュ-スがわからん」という欄に記載されていました。
 
それによると、まずこの6日に開かれた全米の有権者による一般投票があります。これは日本などと同じで、選挙権を持った全ての人が対象になりますが、選ぶのが選挙人というもので、50の州と首都ワシントンごとに行われます。
 
この選挙人というのが538人いて、共和党と民主党それぞれが用意した人たちで、それぞれ誰がどの大統領候補を選ぶかが予め決まっています。つまり、この選挙人を介した間接選挙なのです。
 
ですから場所によっては選挙人ではなく、投票用紙に正副大統領候補の名前だけがあるところも多いと言われます。 またこの選挙人による投票も12月に予定されていて、正式にはここで決まるわけですが、事実上、選挙人を選んだ段階で決着がつくのです。
 
それから州によって選挙人の数がだいぶ違うとのことで、各州に2人いる連邦上院議員と、下院議員の数の合計と同じと言われています。この下院議員は人口に応じて配分されていて、州ごとの選挙人数は3人のところもあれば、最多で55人のところもあると言われます。
 
従って各陣営は州ごとにこの選挙人を奪い合い、過半数の270人以上を獲得すれば勝利となるわけです。ですから獲得票数がそのまま当選と決まるわけではなく、票は多くても選挙人数が少ないという逆転現象も起こるわけです。
 
これは一部の州以外では、わずかな差でも最高票を得た候補者が、その州の選挙人を全員獲得できるという勝者総取りの制度のためです。ですから小さな州で負けても、選挙人が多い大きな州で勝てばよいわけです。
 
このように人口にある程度比例した、合理的な選挙制度のような気がします。ただそれぞれの州が勝者総取りというところに、少し疑問を持たないわけではありませんが、少なくとも日本の首相を選ぶ方法に比べたらずっと民主的ではないでしょうか。
 
こうして選ばれたオバマさんですが、次は選挙のない、これからの4年間です。遠慮のない思い切った政策に着手して、その公約どおり、核のない世界を目指して、広島、長崎にも是非訪れてもらいたいと願っています。