会長の”三行日記”

2013.04.24

余分なこと No.2385

 安倍内閣のメンバ-がまた余分なことをしてしまいました。靖国神社の春季例大祭に合わせ、麻生副総理兼財務大臣などがこぞって参拝したことに伴い、中国と韓国が激しく非難していることです。

中国はこれに反発するかのように、問題の尖閣列島海域に、今まで最多の海洋監視船8隻が領海侵犯をしてきました。まさに靖国参拝の抗議に併せたかのようにです。

また同じく韓国は参拝に抗議し、予定されていた日韓外相会談での尹炳世(ユン・ビョンセ)外相の訪日を取りやめにしました。日韓両国で新政権が発足して以来、初の外相会談となるはずだったのですが、中止されてしまいました。

この会談は、緊迫する北朝鮮情勢への対応を協議するとともに、昨年8月の李明博(イ・ミョンバク)韓国大統領)による島根県・竹島への上陸を機に悪化した、両国の関係改善の糸口を探ろうとしていたのです。

また日中韓の首脳会談実現に向けて、この韓国外相が日本と中国をそれぞれ訪れ、個別に調整をとろうとしていたのです。ですからギクシャクしていた3国間が、これにより少しでも歩み寄ろうとしていた矢先のことでもあるわけです。

それだけに、この時期、変に中韓相手国を刺激することはないものです。いくら私人での参拝と言っても、受け取る相手が元々こちらの理屈など、通用するところではありません。天声人語にも、「中韓のもろもろのナショナリズムにも辟易(へきえき)するが、不仲と不信が高じるのは芳しくない。北朝鮮の独裁者を喜ばせることにもなる」と記されていました。

また一方、こうした中韓の態度を受けての安倍首相も、極めて強気の姿勢を崩しません。先週のこの欄にも書きましたが、参院選を前に、少しおとなしくしていたタカ派の側面が、いよいよ頭を持ち上げてきたようです。

問われた国会答弁でも、「我が閣僚はどんな脅かしにも屈しない自由を確保している」と、俄然、強気の姿勢を打ち出しているのです。どんなに強がってみても、相手の嫌がることをしたらまずいというのは、子どもでも教えられていると思うのですが...

こちらの理屈の通らない相手では、何が何でもこちらの言い分を通すのではなく、まずその立場を思いやりながら一歩下がって交渉を進めていったり、変に相手を刺激しないのが解決の近道だと私は思うのですが...

明日25日は私用でお休みをいただくため、カキコミは休ませて下さい。