会長の”三行日記”

2013.08.05

低体温症 No.2441

 先週、中央アルプス・檜尾岳で亡くなった韓国グル-プ4人のうち、滑落が直接原因の1名を除く3名は、すべて低体温症によるものと伝えられています。この低体温症についてテレビでも取り上げていましたが、遭難した山に限らず、コンサ-トなどの身近なところでもこれに掛かり、運ばれた人もいるとのことです。

つまり雨などに激しく打たれた後、強い風に吹きつけられると低体温症になるというのです。熱がどんどんと奪われやすい状態の中、熱が産生できないから、この症状になるのです。だとすると平地でも当然、起こってもおかしくないわけです。

それではどういった人がなりやすいかというと、お年寄や子ども、また栄養不足や水分不足の状態か、または疲労している人などがなりやすいと言われています。

またその症状としては、手足が冷たくなり寒くて震えます。でも震えがあるうちは、熱を上げるエネルギ-がある証拠で低体温症とは言わず、この段階で何とか処置をしなければいけないというのです。ですからこの震えは警告サインなのです。

この震えが始まったら、一般的に次の処置をとった方がよいとのことです。まず冷たいものからの隔離です。雨や風を避けて地面に敷物をしたり、濡れた衣服は脱ぐようにします。もし着替えがなくても濡れたものは脱ぎ、毛布などにくるまることです。

それから体の内側を温めることです。できれば温かい飲み物があれば飲んで体の中から温めたり、お腹などを温かいもので外側から温めるのもよいと言います。それから体温を上げるエネルギ-として、カロリ-補給が大切です。

また体温が下がると利尿作用が働き、体内の水分バランスが変化し脱水状態となります。そのため、温かくなくてもいいから水分補給に努めなければいけないとされます。

とにかく一人よりできれば二人以上、毛布などにくるまって温めあうことです。そして顔、首、頭からの熱は逃げやすいため、帽子やマフラ-などで保温することです。要は震えがまだある限りではどんな温め方をしても大丈夫だと言われています。

このようなことを聞くと、低体温症というのは登山などに限らず、天候不順による突然の大雨や強風にさらされる、災害時やゴルフなどのレジャ-を楽しんでいるときでも起こりやすく、私たちの日常と全く無縁なものでもないわけです。

ですから、できれば雨や汗に濡れても、すぐ乾きやすい素材のウェアを身につけていた方がよいのでしょう。遭難した韓国人の方は薄手のカッパだったことが、結局命取りになってしまったのではないでしょうか。雨に濡れた時はくれぐれも注意することにしましょう。