会長の”三行日記”

2014.04.02

タモリさんの人徳 No.2549

 消費税5%と同じように別れを告げるかのごとく、「笑っていいとも」の司会者、タモリさんが番組とともに3月31日、その幕を降ろしました。何と32年もの間、やり続けたとのことで、生放送8054回という、途方もない長寿番組でした。

その最終回には名物のテレフォンショッキングにゲストとしてタケシさんが登場して、タモリさんに向けて例の表彰状を読み上げたり、青山葬儀所割引券や紙おむつ1年分などの目録を渡したりして、ハチャメチャなところを見せて笑いを誘っていました。

私も普段は見ないのですが、最終回というのでテレビをつけ覗いてみました。また夜8時からもそのグランドフィナ-レという番組が生放送で放映されていました。こちらも9時前に家に帰ってから、やはり興味をそそられたので途中からですが眺めてみました。

そこには本当に数多くのいろいろな芸能人が参加していて、改めてタモリさんの交友の広さを感じたものです。もちろん、いいとものレギュラ-や、ショッキングに出演した縁からも駆け付けた人がいるのでしょうが、タモリさんの人柄が多くを呼び寄せたのではないでしょうか。

改めて考えてみると、タモリさんという人、人の気を逸らさない、結構気遣いのある人のように思えます。ですから変な嫌味はないし、それなりにゲストや周囲の人を立ててきたから、これだけ長い期間続いてきたことと思います

グランドフィナ-レの番組そのものは視聴者をほったらかしにして、出演者だけが盛り上がっていて一部には批判があったようですが、最後ということもあり、タモリさんの人徳に免じて許してあげてもよいではないでしょうか。

それにしても32年という長い期間は大変だったことと思われます。病気にもなれないし、長期の休みもとれないからです。従って芸能人がよく行く海外旅行もできなかったと言います。よく継続は力なりと言われますが、見方を変えるとタモリさん自身がこの番組を通して一番成長してきたのではないでしょうか。

またあるところにこんなことも書かれていました。タモリさんを取り囲んでいた共演者の中には、番組終了とともに沈んでいく船のように、終焉の信号が点滅中の人も少なくないが、タモリさん自身はその船には乗ってはいないで、初めから手漕ぎの小さな救命ボートに乗って大海に浮いていると言います。

ある意味、タモリさんを的確に表していると言えるかもしれません。番組中、涙ひとつ見せず、ク-ルそのものに見えるかもしれませんが、その実とても温かい人のように思えます。長い間、本当にお疲れ様でした。ゆっくり休んでください。