会長の”三行日記”

2014.10.17

持ち帰り寿司 No.2633

 昨日はその前の日と違って素晴らしいお天気でしたね。寒川総合体育館の現場調査の後、もう一つ依頼されていた茅ヶ崎にある老人施設・太陽の郷という所に行ってきたのですが、素敵な場所でした。

緑の木々や広い芝生スペ-スなどもいっぱいあり、晩年はこんなところで暮らすのもよいなと思ったほどです。でもちょっと小耳に挟んだのですが保証金が2千万ぐらいと聞きましたので、とても庶民の自分たちには無理だと思い知らされたのです。

この7階建ての建物の屋上にある装置が故障しているので、その屋上に上がったわけですが、見晴らしの良いのにはびっくりしました。四方見渡せるわけですが、東には江の島や海の中に烏帽子岩がくっきりと浮かび、また西北には箱根の山々の上に、初冠雪とも言われていた富士山が綺麗な姿を現わしていました。

こんな素敵な景色を眺めることのできるのも、商売柄、自分たちの特典かもしれません。さて話はガラッと変わってしまいますが、持ち帰り寿司の代表格でもある、小僧寿しが少しピンチに立たされているという情報を耳にしました。

今年に入ってから不透明な資金の流れが複数回あったり、リストラを始めたりしていて、社内外から経営改革案を募っているように、なりふり構わない姿を見せているようです。こうした経営者の資質に関する問題が少ないないとも言えるわけですが、持ち帰り寿司自体、その業界が下降線にあるのではないでしょうか。

ご存知の通り、今ファミリ-に人気のあるのは回転寿司です。すぐ手軽に食べられるというのが魅力ですが、ここでも持ち帰り寿司を販売しています。この回転寿司が登場する前に人気だったのが、小僧寿しのような持ち帰り寿司だったのです。

かつてはお寿司と言ったら特別な日の食事だったからです。その持ち帰り寿司のメインとなるタ-ゲットがこのファミリ-だったわけで、そのファミリ-が回転寿司の登場でこちらに移動してしまったのです。

それから宅配寿司の登場の影響も少なくありません。今では持ち帰り寿司の競合は、回転寿司だけでなく宅配寿司という、私たち消費者にとっては自宅に届けてくれる大きなメリットを持つ強敵が現われたからです。

確かに自分で持ち帰るのには、嵩張ったり、斜めになったりして持ち帰りしにくい不都合があるのです。そして味という点でも年々宅配寿司はそのレベルを上げてきています。一方の小僧寿しや京樽といった持ち帰り寿司は大した進歩がないようにも聞いています。

このように持ち帰り寿司は外では回転寿司に敗れ、内においても宅配寿司にリ-ドされるような展開になっているのが現実なのです。それでは全くそれが生き残れる戦略がないのかといった点で、有識者は次のように語っています。

1つには回転寿司や宅配寿司にない、独自の存在意義のある強みを見つけ出すということです。味や価格に左右されないコンセプトを見つけることで、豪華なパッケ-ジなどでお祝いのための寿司というものを位置づけたり、自宅でのパ-ティ-用にロシアンル-レットのような要素で盛り上がりを演出したりする方法です。

またもう一つは海外展開を考えることです。現在、日本の食文化は世界的にも人気があり、日本市場ではなくグローバル市場に目を向ければ、持ち帰り寿司の未来にも明かりが見えてくると言っているのです。

ですから全く未来のない業界といったわけではないのですが、今のままで手をこまねいていては近い将来消えていくかもしれないと警鐘を鳴らしています。こうしたピンチに立たされている業界は決してこの持ち帰り寿司だけではないのですが、やはり業界の隙間を縫った戦略や消費者がワクワクするような仕組みづくりが求められているものです。