会長の”三行日記”

2016年09月

2016.09.06

野球とソフトボ-ル No.2889

 野球とソフトボ-ル、ご存知のように次期東京五輪の時には正式種目になりました。日本が期待を持てる種目ですが、それを占う意味での前哨戦がありました。日曜日に行われたU-18野球アジア選手権大会とジャパンカップ国際女子ソフトボ-ル大会です。

両試合ともBSのテレビ放送で中継されましたので観ることができました。まずソフトボ-ルです。自分も低次元ながら携わる者の一人としてレベルの差を確かめる意味で、興味津々で眺めることができました。

まずびっくりしたのがバッティングでは振りの鋭さです。試合は9-1で日本がアメリカをコ-ルドゲ-ムで破る予想外の展開でしたが、この試合を観るかぎりでは、日本の打者の方が振りの鋭さに関してはずっと優っていたように思えます。

特にこの試合1番を打っていた山田恵里選手のバッティングには目を見張るものがありました。同選手は今から8年前の北京五輪で上野投手と一緒に金メダルを獲ったベテラン選手ですが、打撃にはまだまだ光るものがありました。

本大会でも4試合で4本もの本塁打を放っているわけですが、そんなに大振りすることなく、鋭くミ-トした打球は68mのフェンスを軽々と越えていったものです。また日本チ-ムの守備が素晴らしいですね。

セカンドに強い当たりがいったゴロなど、二塁手がとった後、グラブトスしてダブルプレ-をとった場面にはやはりレベルの高さを感じさせられるものでした。何よりも取ってからの送球が早いわけです。

こんなわけで4年後を大いに期待できる日本チ-ムですが、この試合でも5回から登板し、格の違いを見せつけた上野投手がご自分でも言っていた通り、4年後に自分が中心では金メダルは取れないということでしょう。更に飛躍した日本チ-ムを見てみたいものです。

それからU-18の野球の方ですが、この夏の甲子園で活躍した選手が中心の編成でしたが、素材の良さを十分見せつけてくれました。投手では3本柱の他には広島新庄の堀投手が良かったですね。

また甲子園組ではなかったのですが、全試合3番を任された静岡高の鈴木選手のバッティングにも、わざわざ抜擢されただけのことがある卓越したものがありました。総体的にメンバ-が揃っていたと言えるのではないでしょうか。

4年後はプロ選抜になるかもしれないことから、この選手たちが中心になるかどうかは判りませんが、近い将来、その何人かは頭角を現わしてくるのではないでしょうか。とにかくリオ五輪が終わったばかりですが、もう既に4年後に向けて戦いの火花が散っているわけです。

明日7日は製造業のための販路拡大セミナ-が一日、お隣の富士市で行われます。これに参加するため、カキコミは休ませて頂きます。

2016.09.05

ミッション No.2888

 ミッションという言葉は天職とか使命、任務という意味を表わしています。その言葉をつくづく感じさせられたのが土曜日の講演会でした。静岡同友会でお呼びした、愛媛同友会の専務理事である鎌田さんによる学習会です。

ご本人も全て公表されていることからここではオ-プンにさせてもらいますが、前立腺ガンが体中に転移されていて、余命幾ばくもないお体をおして静岡まで講師として来て頂いたのです。

元々は5月末に佐賀で行われた九州・沖縄ブロック役員研修会の2日目、鎌田さんはじめ3名のパネラ-による条例についての学習会に、私はじめもう一人の副代表理事と静岡同友会事務局の皆さんが出席したことに端を発しているわけですが、鎌田さんのお話がとてもわかりやすく説得力のあるものでしたので、静岡に戻って協議した結果、実現する運びとなりました。

それでも鎌田さんの体調が大変なことから、こちらでの話し合いの中ではもし何かあったらどうするのかとか、家族に対して申し訳ないといった声まで出ていて、実現を危ぶむところも正直ありました。

それをはねのけて実現できたのは、私たちの望む声が強かったのはもちろんですが、何よりもご本人の静岡でどうしても伝えたいという強いお気持ちが優ったからではないかと思われます。事務局によると、交通費や謝礼など要らないからとも言って頂いたそうです。

これはまさにミッション以外の何物でもないでしょうか。その強い思いが表れるように、静岡での講演は2時間を優に超える熱い語りでした。以前にもお聞きしたとおり、条例は同友会運動の理論的実践で最高の到達点だと述べています。

また中小企業問題は教育問題とまで言い切り、条例制定を通して公平な職業観や勤労観を養っていく必要があるとしています。そして何よりも私たち企業が人を生かす経営を実践し、地域にいろいろな意味で還元できる憧れの存在となることが求められています。

つまり条例はこちらがいろいろな支援を求めるものではなく、条例を通じ私たち企業が同友会の総合的実践としてどのようにめざしていけばよいのか、また地域においてどういった存在でなければならないのかを問われているものです。

講演が終わったあとの鎌田さんは体力的にも本当に辛そうに見えました。それは普通の体でも2時間を超えて話し続けるのは大変なことですが、ご自身の体に鞭打たれて、その間全力投球でお話しされたからだと思われます。

改めて人間はこのように1つのミッションがあると、こんなにも強く生きられるものだと感じ入りました。中同協の事務局次長のお役まで委ねられている鎌田さんは、地域における中小企業のプロデュ-サ-として憧れの存在でもあるゆえ、まだまだミッションは少なくありません。

お体に十分気をつけて少しでも長くご活躍をされることを願っています。本当に感謝以外の言葉がありません。

2016.09.02

ちょっと良い話132 No.2887

 エレベ-タ-の中でという、ちょっと良い話です。エレベ-タ-の中で見知らぬ人と乗り合わせたとき、短い時間かもしれませんが何となく気が重くなる経験があると思います。そんな一コマを綴ったお話を紹介させて下さい。

10日間ばかりでしたが仕事でアメリカに出掛けた時のことです。慌ただしいスケジュ-ルの中のある日、打ち合わせと夕食をかねて外出しようとしました。私の部屋は23階。私は連れと二人でタイミングよくきたエレベ-タ-に乗り込んで、話を続けていました。

そのエレベ-タ-が19階で停まりドアが開いた時、待っていた一人の男性の姿が現われました。しかし私たちは、その男性をチラッと見ただけで再び話を続けようとしていたのです。

ところが、その見知らぬ外国人は、私たちに笑顔で「グッドイブニング」と挨拶をしながら乗ってきたのです。私はドキッとしました。思いがけなかったために返事をすることも、笑顔を返すこともできず「シマッタ」という気持ちと、相手への申し訳なさがこみあげました。

しかし、エレベ-タ-は3人を乗せて下降しはじめ、私は後悔と焦りでどんどん落ち込み、自分の心の貧しさに気づきはじめていました。そして11階でエレベ-タ-が停まった時、私は今度こそは、という決心で構えていたほど。

今度も男性が一人で待っていました。「エクスキュ-ズミ-」と乗ってきた彼を笑顔で迎え、「何階ですか」と聞くことができた時、私の後悔はふっとびました。それからは4人を乗せたエレベ-タ-はロビ-までノンストップ。

僅か数秒間のことでしたが、4人の見知らぬ人間同士の笑顔が輝いて、和やかなム-ドが漂いました。こんな僅かな時間でもこれ程素晴らしい体験ができるのだ―感激と反省がこみあげました。人と人とのふれあいで大切なのは、知らない人にでも自分から話しかけ、共に語り合うチャンスをつくることであると気づきました。

それなのに、私たちは知っている者同士だけで話をはずませることが何と多いことか-。私の場合もそうだったのです。会社には多くの来客があります。でも、私がその中の何人に声をかけたでしょうか。知らないからと身構えたり、若いから、下請けの人だから...など。

話しかけることなく出会いの縁を無視したこともありました。広い地球にはたくさんの人がいます。一人で生きるよりたくさんの人と出会い、笑顔を交わしあいコミュニケ-ションができてこそ、人生の感動も喜びも大きくなるものです。

自分中心の世界に閉じこもっていては新しい発見はありません。ちょっと位の失敗や恥は誰にでもあることです。自分自身に自信と寛容さを持ち、行動を起こしましょう。

それがひいては人間としての優しさの原点になるのだろう、と改めて感じ入っているこの頃です。そして、一人ひとりの心の優しさがやがては、多くの人々の温かいふれあいに広がっていくものであると確信します。

まさに言われている通り、とかくいろいろな会の席でも知っている人の方が気が楽なこともあって、なかなか見知らぬ人との接触を持たないものです。これでは筆者が言われている通り、新たな出会いによる人生の広がりが生まれないのです。心して改めなければいけないものです。

2016.09.01

小池都知事の手腕 No.2886

 東京都の小池知事が就任してからほぼ1ケ月が過ぎ去りました。その間、選挙の後遺症もあるのか、ドンと呼ばれる元自民党都連幹事長はじめ都議会議長などのイジメにもあっているみたいですが、総体的によくやっていると言えるのではないでしょうか。

それにしても上記の人たちの知事を無視するかのような仕業にもあきれたものです。就任直後、挨拶回りで訪れた都議会自民党の部屋では内田元幹事長は初めから留守を決め込んでいて不在で、出迎えた川井議長にしても報道陣の前で「知事と議会は両輪です。一輪車にならないように」と敢えてクギをさしたとのことです。

またそればかりでなく、報道陣から小池氏と並んだ写真の撮影を求められると、その必要はないと言って拒否し、「どうもご苦労さまでした」と小池氏に退室を促したそうです。

そして知事がリオ五輪での引継ぎを無事果たし、にこやかに五輪旗を振って選手団と凱旋帰国した際、歓迎式典が羽田空港で行われたわけですが、そこでも待っていたのはなんとも素っ気ない対応だったのです。

やはり内田氏の腹心とされる川井議長が式典に出席したのですが、記念撮影には応じたものの、終わると小池知事の前を素通りして山下泰裕副団長に挨拶するため駆け寄ったのです。知事とは目を合わさず言葉も交わす様子もなかったと言います。

これなどは露骨な宣戦布告に見える、明らかに知事を無視したやり方で、大人げないとも言えるものでないでしょうか。そんな仕打ちに対しても知事は少しも怯(ひる)むことなく、昨日などは前から決められていた築地市場から豊洲への移転時期も延期するという方針を打ち出しました。

新市場となる豊洲の土壌汚染をめぐる安全性の検証が不十分と判断したからです。これまではまず2020年の東京五輪パラオリンピックありきで、その選手村と都心部を結ぶ環状2号線を通す計画を優先していたのです。

つまり築地市場跡地を通る環状2号線の完成を東京五輪・パラリンピックまでに間に合わせるため、逆算する形で移転の日取りを決めていた都の方針に不信感を示し、はっきりと意思表示をしたのです。

何よりも日本の台所を支える新市場の環境面での安全性を重視したのです。また一部週刊誌が伝える都議会ドンの内田氏の移転に関わる利権問題にも、当初の事業費が大幅にアップしていることから、しっかりと目を向けていくという強い意思を示しています。

まさに頼もしいものではないでしょうか。こういったことはドンと馴れ合いの知事ではできることではありません。臭いものには蓋することなく、どんどんとおかしなことを追求し改めていってもらいたいものです。新知事の予想以上の毅然とした取り組みに何となく心地良さを感じています。