会長の”三行日記”

2011.02.25

ニュ-ジ-ランド大地震 No.1963

こちらでは春を思わせるような暖かな朝を迎えました。ところが海の向こうでは大変なことが起こってしまいました。ニュ-ジ-ランド第2の都市・クライストチャーチで起こったM6.3の大地震です。
 
既に死者は100人を超えると伝えられていますが、生存の可能性の限界とも言われている72時間を迎えようとしている今、現地での日本をはじめとした国際緊急援助隊による捜索は急ピッチでその作業が進められています。
 
特に語学学校「キングス・エデュケーション」の入居する建物崩壊では、富山からの留学生など、まだ数多くの日本人を含む被災者が取り残されていると言います。
 
その中で救助された一人である、富山外国語専門学校の学生である、19歳の奥田さんのことが新聞に紹介されていました。
 
記者の撮影した、入院中のベッドの上で、明るく気丈にVサインまで出して振る舞う姿の写真が掲載されていましたが、母親のコメントにあるように、周囲を安心させる為にとったポ-ズだと思われます。
 
というのも、もう一人の比較的軽傷で救出された女子学生と違って、奥田さんは右足が瓦礫に挟まれていたため、救助の際、切断されたというのです。
 
切断しなければ救助できなかったのか、それとも挟まれていた為、足が壊死を起こして、放っておいたらその毒が全身に回って死の危険が迫る為だったのかは、定かではありませんが、助かるために切断せざるを得なかったのです。
 
聞くと高校時代はサッカ-部のキャプテンだったと言われます。大切に使い続けた右足を、まさかこんな所で失うとは夢にも思わなかったはずです。
 
また救出されるまでの間を次のように伝えています。昼食をとっていたら、大きな揺れが来て、いきなり床が落ちた。周りのみんなは「痛い」などと言いながら下に落ちていき、自分は気づいたら真っ暗な中で何かに右足を挟まれて動けなくなっていた。 

最初は助けが来るかどうかも分からずパニック状態だったが、一緒に埋まった先生が「落ち着いて」「長期戦になるかもしれないから体力を残そう」と声をかけてくれた。「みんなで生きて帰ろう」と呼びかけ合い、励まし合って救助を待った。挟まれたまま、兄に携帯で電話をし、ここにいることを大使館に連絡してもらった。

 
その兄への電話では、「兄ちゃん助けて」「真っ暗で挟まっている」と訴えたそうです。ずいぶんと不安で長かった時を過ごしたのではないでしょうか。
 
この奥田さんが言われるように、是非、行方不明になっている多くの仲間にも助かってもらいたいものです。また私たちの住む所も、この地と同様な地層形態であると言います。それだけにいつ降り掛かってくるか判らないだけに、他山の石とはしないことです。犠牲者のご冥福を心からお祈りします。