会長の”三行日記”

2012.07.31

ロンドン五輪からその1 No.2256

やっと柔道・松本薫選手が日本人で初めて金メダルを獲ってくれました。風貌からして負けそうもないと思って、テレビにしがみついて応援していたのですが、よくやってくれました。
 
優勝が決まった途端、今までの攻撃的な顔が一変して、柔和で素敵な笑顔に変わったのはとてもよかったですね。出だしがあまり良くない柔道だっただけに、さぞかしプレッシャ-も大きかったのではないでしょうか。見事です。
 
ロンドン五輪、日本チ-ムのこれまでのところは大方の予想に反して、少し低迷しているのではないでしょうか。期待されている人が思うように伸びず、柔道や体操などは自分たちのプレッシャ-やミスで自滅しているようにも思えます。
 
これが勝つということの難しさなのでしょうか。もっとも事前での予想は期待を込めたところもあり、必ずしも絶対といったものではありませんでした。ですからある意味では妥当な成績かもしれません。
 
そんな中、この大舞台で自己ベストの成績を出す選手は称えてもよいのではないでしょうか。開幕2日目だったでしょうか、女子重量挙げの試合には思わず引き込まれ、深夜まで注視するほどの素晴らしい競技だったと思います。
 
私たちの世代ではよく知っている、あの三宅義行さんの娘、宏実さんです。父はメキシコ五輪・フェザ-級の銅メダリスト、また伯父さんに当たる三宅義信さんは東京・メキシコと2大会連続の金メダリストです。
 
そんな重量挙げ一家に育った宏実さんも、2000年のシドニ-五輪の競技を見て感動し、中学3年からこの道を志したと言います。そしてアテネから代表入りを果たし、前回の北京ではメダルを期待されていましたが、入賞こそ果たしましたが6位に終わっていたのです。
 
まず難しいスナッチで3回の試技を見事に成功し、続くジャ-クでも108、110kgと、この48kg階級での自己ベストの記録で銀メダル以上を確実にしました。そしてト-タル200kgを狙った113kgには惜しくも失敗しましたが、6回のチャレンジ中5回も成功し、見事に銀メダルに輝いたのです。
 
対する中国のチャンピオンはさすがに強かったですね。でもこの競技、結構その挑戦の仕方で成績が左右されるものです。初めから優勝を狙って自己ベストに近い、重い重量から始めて失敗すると、記録なしでで終わることもあるからです。
 
また忘れてはいけないのが、もう一人の日本人選手、水落穂南選手です。オリンピック初出場ながらスナッチで80kg、ジャークで96kgを挙げ、トータル176kgで6位入賞を果たしました。
 
特筆すべきは6回の競技のうち、1回も失敗することなく競技を終えたのです。周りの選手が何人か失敗する中、自分の計画通りの重さにチャレンジし、見事に自己ベストでの入賞だったのです。
 
このように本番で自分の実力以上のものを出せれる選手は、やはりそれなりの結果がついてくるものです。ロンドン五輪も中盤に差し掛かる中、日本人選手も過度の重圧に押し潰されることなく、のびのびと競技してもらいたいものです。