会長の”三行日記”

2012.10.23

沖縄の苦悩 No.2297

沖縄での米兵2人による集団強姦致傷事件の影響で、全ての在日米軍に夜間外出禁止令が発表されました。この19日から期間は未定で、夜11時から朝の5時までの間とされています。
 
この対象となる米兵は約3万4千人とも言われていますが、普天間基地のある沖縄にはそのうちの2万5千人が駐留するとのことですから、事件や問題も多発します。もちろん今回事件を起こした米兵のように、短期滞在の兵士も対象になるわけです。
 
今回の事件でも、あとちょっと被害者からの訴えが遅れていたら、犯人の2人は痕跡を残さないまま飛び立っていたのですから、短期滞在の兵士にも目を配らなければなりません。
 
それにしても私たちの想像以上に、沖縄県民の受ける被害は甚大とも言えるものです。いろいろと物議を醸し出している米新型輸送機のオスプレイも強行配備されました。
 
街中にいつ落ちるかもしれないオスプレイの飛行に不安を抱きながら、夜は夜でこのような強姦事件が繰り返されているわけです。また近海には怪しげな中国海軍が出没し、普天間から辺野古への基地移設問題も抱えています。
 
そして日米で取り決められている地位協定というのもおかしなものになっています。今回は日本の警察が逮捕したから取調べが通常にできるのですが、もし容疑者の軍人を米軍が先に捕まえれば、日本側が起訴するまで基本的に米軍が拘束する規定となっているのです。
 
従って米軍が日本に好意的に取調べを進めてくれればよいのですが、必ずしもそうばかりとは言えません。十分な捜査が行われないまま、取り逃がすことだって少なくないわけです。
 
これでは沖縄県民は納得できないし、怒りも収まらないのはよく理解できるというものです。冒頭に挙げた外出禁止令にしても、夜11時までというのも甘い措置ではないでしょうか。
 
とにかく日本で唯一内戦が繰り広げられ、多くの犠牲者を出してしまった地域が、終戦から65年以上経っている今日でも、尚多くの犠牲を強いられている現状をこのまま見過ごしてもよいものでしょうか。
 
もしそれが自分の住んでいる地域だったらどうでしょうか。私たちは対岸の火事のように捉え、いたって気楽に考えていますが、当事者にとっては本当に深刻な問題です。なぜ沖縄だけにこのような犠牲を求めるのか、日本国民が真剣に考えなければいけない時が来ているのではないでしょうか。