会長の”三行日記”

2014.10.24

102枚目の履歴書 No.2637

 もう結構前の新聞だったのですが、以下に掲げる102枚目の履歴書という投稿がありました。同じような立場で苦労している人がかなりいるのではないでしょうか。

58歳半ばで会社から突然リストラを宣告された。1年の猶予を与えるからその間に転職先を捜せ、とのこと。会社の業績がかなり悪いのは知っていたが、大学と高校に通う子供たちに家のロ-ンを抱え「なぜ自分が」と怒りと悔しさがこみ上げた。

が、悔いていても仕方がない。ハロ-ワ-クやネットの求人サイトなど手当り次第に登録し、履歴書を送りまくった。だが、断りの返事ばかりがくる。10通に一つは面接までたどり着けるが「当社は定年が60歳。あと1年で何をしてもらえるのか」と問われた。

長年の経験をアピ-ルしても難しい顔。焦りは日ごとに募り、家族の不安もひしひしと伝わり、絶望に襲われもした。だが諦めるわけにはいかない。1年がたとうとしたころ、65歳定年の会社から採用の通知が来た。

「101回目のプロポ-ズ」というドラマがあったが102枚目の履歴書だった。収入は下がるが家族の協力があれば何とかなりそうだ。

働き始めて3か月。新しい知識の習得に忙しいが、自分の経験を生かせている充実感がある。家族に笑顔が戻った。振り返れば自分を試す貴重な日々だったようにも思う。

この方からも指摘されるように、雇用側の会社というのはこのように大きな責任が伴うものです。近年、業績が行き詰ってきているからと言って、簡単に廃業など勝手に会社を閉めるところが少なくないように思えます。

でも本人は自業自得だから仕方がないものの、雇用されている社員の立場からしたら、全く酷い仕打ちになるわけです。投稿にもあるように、明日から路頭に迷う身となってしまうからです。

また昨日の新聞にも載っていたように、静岡県内では母子家庭の方に調査したところ非正規社員が57.4%と、過半数を超えていてその多くは年収200万円未満で、転職を希望しながら仕事や育児の都合で就職活動ができない人も多く、現状から抜け出せない実情が伝えられていました。

このように厳しい実情ながら私たち経営者に求められているのは、会社を継続していく責任が何よりも求められていることだと思います。そして社員を含めた全てが少しでも豊かになれるよう努めることです。まさに同友会の言っているところの、労使見解の精神を持たなければなりません。