会長の”三行日記”

2014.10.27

全県経営フォ-ラム No.2638

 土曜日は榛原で全県経営フォ-ラムが行われました。基調講演は三重からお呼びした、ミナミ産業(株)社長の南川さんです。大豆加工食品、主に豆腐の設備の製造販売を手掛けている方で、今では世界的にその事業を展開されています。

特に萬来鍋といって、この鍋から手軽に豆腐を作り出すことができるものを開発してから、一挙に販売対象が広がったようです。健康志向で日本の食が世界中の人々から見直されている今日、新たな販売戦略で独自の生存領域(ドメイン)を切り開いている取り組みは見事です。

この記念講演終了後、会場がいくつか分かれて開かれた5つの分科会のうち、私は「県下NO.1をめざして~31位からの復活」というテ-マの榛南自動車学校・水野社長報告の第1分科会を選びました。

サラリ-マンとして入社した自動車学校の総務と経理を担当し、社員から叩き上げといった形で前社長に後継を指名され社長となった水野さんが、引き継いだ時点では県下44校中31位の業績でした。

そのお客様に当たる自動車学校への受講生は、今から3年前の当時は800人ぐらいと言われていましたが、2014年の今では目標の3000人に迫る2600人と、県下6位の位置まで大きな躍進を図っています。

その躍進の原動力となったのは、水野さん自身がそのプランを温めていた合宿制度を始めていったからです。前社長はこの合宿に対しては必ずしも快い返事ではなかったみたいですが、社長になった途端、その年の11月には合宿免許をスタ-トさせています。

これにより県外からのお客も呼び込むことができ、受講生を大幅に伸ばすことができたのです。またこの地が海と山に囲まれた美しい街であるお蔭で、合宿免許に素晴らしいロケ-ションを生かして周辺観光やリゾ-トでのエステなど組み入れたプランも組み入れています。

しかしそんな順風満帆なことばかり続くわけでなく、今年、合宿免許の受講生が夜の自由時間に海岸で遊んでいて、折からの台風の高波で、2人が海にさらわれ亡くなってしまうという、痛ましい事故に見舞われてしまいました。

社長である水野さんはその責任を感じて、このフォ-ラムの報告者のみならず社長の職まで辞すところまで考えましたが、周囲の慰留で踏みとどまったわけです。でも亡くなられた遺族に対しては、葬儀が全て済むまでしっかりと手厚いフォロ-と誠意を持って対処したお蔭で、遺族からもとても温かい感謝の気持ちを持って頂いたようです。

まさにピンチをチャンスに変えてしまったわけです。これがまさに水野さんの人間性そのもののような気がします。また他のところでは日常茶飯事になっている個人情報を買うといった点でも、その信念から一切社内的に禁止しているとのことです。

その他、社員を含め周囲への思いやりや感謝の気持ちを持ち続けている、水野社長率いる榛南自動車学校ですから、県下一と掲げている大きな目標もきっとやり遂げるのではないでしょうか。何よりもぶれないその経営指針をすぐ実践に移している行動力は見事です。