会長の”三行日記”

2015.06.24

新天地と適材適所 No.2727

 今シ-ズン途中、巨人から日本ハムに移籍した矢野謙次選手が大活躍しています。それはまるで水を得た魚のようで、今まで古巣・巨人では出場機会の少なかった鬱憤を晴らしているようにも見えます。

まさに新天地に活路を見出している姿で、本人にとっては適材適所なトレ-ドだったとも言えるものです。確かにバッティングは巨人時代もチャンスに代打で起用され、しばしば貴重な一打を放っているほど非凡なものを持っている選手です。

しかし選手層の厚さや首脳陣との相性といった問題があるのか、なかなかスタメンでは起用されませんでした。移籍前の今シ-ズンもたった14打席しか立つことがありませんでした。

それが日本ハムに移籍した途端、翌日からスタメンで起用され、いきなりDeNAとの3連戦では10打数5安打の大活躍です。そして昨日現在の打撃成績も21打席、18打数8安打、打率.444、出塁率.524という数字を残しており、全く文句の付けようがありません。

こんな良い選手を巨人はどうして使わなかったのかといった問題はさておき、本人にとってはとても充実している毎日ではないかと思われます。ですから「毎日打席に立たせてもらって感謝しかない」と実感を込めて話す言葉が重く感じます。

今まで代打での1打席に懸けてきたきたわけですから、人一倍準備万端で打席に入っていることでしょうし、栗山監督が言うように「ストライクが1球しかないという心構えは、他の選手にとっても良い手本になってる」ものと思われます。

こうしたトレ-ドにより適材適所に恵まれた良い例になったわけですが、元々この適材適所という言葉は以下のような解説がついています。適材適所とは伝統的な日本家屋や寺社などを建てる際の「仕事ぶり」を称える言葉が語源といいます。

日本は豊富な森林に囲まれ、針葉樹・広葉樹と特徴の違う木材を調達することが可能です。たとえば、ケヤキは硬くて高価。杉は柔らかくて加工しやすい。ヒノキは繊密で独特な芳香。

そこで土台や柱、床など場所によって、必要になる湿気対策や強度の違いに合わせて木材を使い分けて長持ちする建築物を作るのですが、そうした目利きができる職人に対して「適材適所」が効いている、といった意味で使われていました。

そして現在は人の能力や特性などを正しく評価して、ふさわしい地位・仕事に就けることという意味ですが、それに相応しくないといつまで経っても、うだつが上がらないということになりかねません。

やはり正しい人事評価ということが私たちに求められるわけです。中同協の前赤石会長がよく言われていたことに「人間は誰でも伸縮自在な袋を持っているものである」という言葉があります。誰でも広く可能性を秘めているという意味ですが、企業に置いてもそれを見つけてやるのが経営者の責任でもないかと考えています。

明日25日から2日間、名古屋で開かれる中同協・中日本ブロック代表者会議に出席のため、会社を留守にしますのでカキコミは休ませていただきます。