会長の”三行日記”

2015.10.13

お店の信用 No.2775

 この3連休の初日、いつものご近所5組の夫婦で熱海の星野リゾ-ト(リゾナ-レ熱海)に泊まりました。噂には聞いていましたが、さすがに良いところですね。懐石の料理もおいしいし、ゆったりとくつろぐことができました。

そして一晩泊まった後、熱海の起雲閣などを見学し、一日時間を潰して地元に戻ってきました。相方は全て家庭の主婦ゆえ、家に帰ってから夕飯の支度も大変だということで、軽く夕食を外で済ませようということになったのです。

では寿司でも食べようかということで、2、3軒寄ったのですがいずれも休みの日ということもあって満員です。メンバ-の中に魚が苦手という人もいることから、それなら回転寿司に行こうということになりました。

お店の名誉のため、何処とは触れませんがこのお店、回転寿司とは言ってもどこにもあるような1皿100円寿司ではないのです。ですからネタは新しいし、いずれを取ってもおいしいのです。こうしてすこぶる満足して家に戻ってきたのですが、家に着いてから家内にその話をすると、ちょっと反応が違うのです。

何かと尋ねてみると、お店の中である出来事を眺めていたというのです。それはこのお店の売りにしていることかもしれませんが、お客から見えるところで職人さんがお寿司を握っていて起きたことです。

家内はじめ、他の奥さんもたまたま眺めていたらしいのですが、握った巻きずしを切っている途中、ポロッと1つ下に落としてしまったそうです。どうするか見ていると拾った寿司をしばし眺めた後、何事もなかったかのように他のものと一緒にお皿に乗せたのです。

それがたまたま私たちの奥様方が頼んでいたものだったらしく、回って席に届いたのですが、一部始終を見ていたわけですから誰も手を出すことはありません。そして他のお客もいることだから、事を荒立たせないようにその場は何も言わなかったというのです。

ですから隣の席にいた私たち男性陣は何も知らなかったわけです。そしてお勘定の時、その事情を話したらその2枚の分はお金を取らなかったということです。でもお金の問題ではなく、お店の信用ということを考えると、果たしてそうした行為はどうなのでしょうか。

まだ若い職人さんだったということですが、たかが1個のお寿司など落ちたものは捨ててしまえばよかったものの、戻してしまったばっかりにお店の信用というものに傷がついてしまいます。今のネット社会なら、こうした光景を写真にでも上げられてしまえば、それこそ死活問題にまで発展しかねません。

そもそもガラス張りのところで握っているということは、そうしたお客の目を意識していて安心感を植えつけるところに狙いがあるはずです。それゆえ、常に見られていると思っていれば、絶対やってはいけないように思えるものです。

こんなことを知ると、私たちの目に触れないところではどんなことが起こっているのかと、勘ぐってしまいたくもなります。とにかく、こうしたお店に限らず、人の目があろうとなかろうと、ズルすることなく自分自身に恥じない行為が企業の信用という観点からも求められているものです。