会長の”三行日記”

2016.06.09

話し方や聞き方の心得 No.2849

 人の話を聞いたり、自分が相手に話し掛けたりする場合、話す人が誰なのかとか、自分が相手にどう思われているのかによって、双方の聞き方がだいぶ違ってくるということが載っていました。

誰しも経験があるでしょうが、自分の話をちっとも聞いてくれないということがあります。そんな時、憤慨する前に自分は相手にどう思われているのかや、今までこの人とどう付き合ってきたのかと、矛先を自分に向けてみることが必要だと言っています。

また相手の聞きたいことから話すということも必要です。こんなケ-スを挙げていました。昔お世話になった懐かしい先輩からメ-ルが届き、久しぶりにどうかというお誘いの話がありました。でも今週は予定があって時間をとれそうにありません。

そんなとき、どういった返信をしたらよいかということです。「あいにく月曜から水曜までは出張で留守にしています。金曜には大事な会議を控えているので木曜は準備をしたいし、週末は結婚式の予定が入っていて・・・」。

これではメ-ルをもらって嬉しかった当人の気持ちは先輩に全然伝わらないし、逆に忙しさを自慢しているようで先輩は不愉快に思うかもしれません。ではどう書いたらよいのでしょうか。筆者は次のように述べています。

まずは久しぶりに声をかけてもらったことへのお礼を書き、それからお誘いへの返事を簡潔に伝える。行けない日ではなく、いつなら行けるかを書く。読む側の知りたい情報から書くことが大事である。

そして話す場合も同じで、相手が聞きたい順に話すことだと言っています。それから最近多いクレ-ム対応についても受けて立つような啖呵を切るやり方ではなく、まずは相手を対等な立場で受け入れ、同じ目線から発せられた共感の言葉で相手に親近感を与え、聞く姿勢をもたらすのが効果的だと指摘しています。

例えば ある自然体験ツアーの企画に、旅先となるエリアに住む人からクレームメールが入りました。 主旨は、「こちらは観光客が増えてからというものの、きれいだった自然を汚され、ゴミの始末に追われている。人が迷惑を被っているのに、あなたたちは自分の金儲けさえできればいいのか」というものでした。

企画した担当者からすれば、ツア-はキャンプのプロに自然との共存方法を学ぶことなので、そんな間違いは犯しようもないことです。「企画書を最後まで読んで頂ければわかることですが」という啖呵を切るような返信ではなく、できればこの人にも今回の企画に共感してもらうということであれば、メールの書き方も次のように変わってきます。

まずは相手の怒りを抑え込むのではなく、怒りの発端に共感する。自分も美しい自然が好きで、自然を汚す旅人には腹が立っていた。だから、今回は旅人にマナーを教える旅を企画したのだ、というところから説明する。「だから、心配されるような事態は決して起こりません」と納得してもらう。

そして相手を言い負かしたところで、何も生まれない。自分の言いたいことを発信するためには、まずは相手を対等な立場で受け入れること。アドバイスという上から目線や、賛辞という下から目線の言葉に説得力はない。同じ目線から発せられた共感の言葉、「私もそのことには悩んでいる」が、相手に親近感を与え、聞く姿勢をもたらすのである。 

とかく自分勝手な都合で話したり、相手の気持ちに寄り添うことなく接することが、私をはじめ多いものですが、気をつけなければいけないことです。そして要点を簡潔に相手の聞きたいことから話すように心掛けなければいけませんね。