社長の三行日記

2017.02.07

バラスト水条約 No.2930

 昨日はカキコミができず失礼しました。バラスト水ってご存知でしょうか。耳慣れない言葉だと思われますが、船が安全に航海するために、積み荷が空の時にバランスをとるため注入する海水のことをそう呼んでいます。

ですから積み荷のない状態で海水を船のタンクに注入し、荷積みの後に排出するわけです。ところがこの海水であるバラスト水の中には細菌やプランクトンが含まれているわけで、これが停泊地の海の環境に影響を与えてしまっているのです。

船のタンク容量は荷物の種類によっても違いますが、航海ごとに数万トンの海水が移動することもあります。このため1980年以降、ヨ-ロッパに生息する貝がアメリカで異常繁殖して発電所の取水口を詰まらせたり、黒海に侵入したクラゲが魚の餌になるプランクトンを食べて漁業に影響を与えることなどが相次ぎ、問題化したのです。

こうしてバラスト水を排出する際、海の環境に影響を与えないため、プランクトンなどをろ過する装置を船に義務付けたバラスト水条約が今年9月に発効することになったのです。

しかしこの装置を搭載して改修するには1隻当たり1億円程度の費用がかかると言われています。そんな大規模改修ゆえになかなか進んでおらず、日本関連の船でも改修が求められるものが千隻を超えているそうです。

改修をしていなければこの先、立ち入り検査で装置未搭載などの違反が発覚すると、船が拘留されたり港から追い出される恐れがあるわけです。ですから大げさに言えば日本船が世界の海から締め出される可能性もあるのです。

こうした事情を全く知ることなく、昨年、いや一昨年末ぐらいから弊社にはバラスト水制御盤の製作依頼が続いていました。近頃になってようやくこの受注が続いている理由がわかったわけですが、今月などは8台、来月は5台とまだまだ続くわけです。

こちらとしては本当に有難い話なのですが、なぜそうしたお引合いが続いているのかぐらいは知らなければ恥ずかしい話です。ただ目先の仕事に振り回されるだけでなく、こうした世界の事情にも目をしっかり向けていかなければと反省しているしだいです。

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