会長の”三行日記”

2012.10.15

虚偽報道 No.2294

ゴルフの日本オ-プンは何とか日本人の久保谷選手が後半、大逆転しビッグタイトルを手にしました。途中まで中継を観ていたのですが、フィリピンの選手が良かったので、また外人かと思って所用で出掛けてしまい、後のニュ-スで知り最後まで観なかったのを残念に思ったくらいです。
 
またプロ野球はクライマックスシリ-ズが始まっており、セ・パリ-グそれぞれヤクルトと西武が一矢を報い、何とか今日の一戦まで繋ぎました。このようにさすがはスポ-ツの秋、これらプロ選手に限らず、多くの人たちが体を動かし、楽しんでいる絶好の季節の到来です。
 
さて奇怪なことが起こってしまいました。先にノ-ベル医学生理学賞に輝いた山中教授のiPS細胞を使った、世界初の臨床応用が行われたとの報道がありました。読売新聞を初めとして共同通信などが11日付の朝刊で発表したのですが、これが真っ赤な嘘と判り、後日慌てて訂正記事を出したのです。
 
行ったのは森口尚史(ひさし)氏という日本人とのことですが、同氏が客員講師を務めた米ハーバード大と、患者への治療を実施したとされるマサチューセッツ総合病院が、「森口氏の一切の臨床試験は、我々が承認したものではない」との声明を発表したのです。
 
ハーバード大学によると、森口氏については「99~00年にかけてマサチューセッツ総合病院の客員研究員だったが、それ以来、同病院やハーバード大とは関係がなく、臨床試験は承認されたものではない」としているのです。
 
またその大学院を終了したと言われている東京医科歯科大では記者会見を開き、今回の臨床応用とは別に、森口氏が同大と、iPS細胞を使ってC型肝炎の効果的な治療薬を見つけた、とする2010年5月の読売新聞の記事についても「東京医科歯科大で実験及び研究が行われた事実はない」と発表しています。
 
ですからiPS細胞を使った研究は一切行っていないということなのです。そして国際会議で発表するはずだった資料に名前を連ねている、同大の指導教授もこうした事実をよく把握していなかったというのです。
 
また森口氏は学部で看護学を専攻したため、医師ではないということも伝えられています。それではいったいなぜ?という大きな疑問が湧くのですが、まだ真相は明らかにされていません。
 
現在は東京大学医学部付属病院の特任研究員とのことですが、そこまでのレベルの人間が起こしたこととは、理解ができません。私たちの素人考えで推測すると、うだつの上がらない研究者が、山中教授らへの羨望が嵩じて犯してしまったことではないでしょうか。
 
とにかく山中教授の言われるように、十分な動物実験なしでいきなり人間というのはあり得ないことです。人騒がせなことで、振り回された報道各社も、もっと十分調査した上での検証が求められるものです。
 
明日16日から18日までの3日間は、軽井沢で出張工事等がある関係で会社を離れるため、カキコミは休ませていただきます。ご了承下さい。